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【関東の秋バラ庭園ベスト5】今すぐ見に行きたい! 芳醇な香りと色深き秋バラに出逢える名園スポット

初秋に咲き始める薔薇

 涼やかな風が木々を揺らし、関東平野のすみずみにまで少しずつ秋の深まりが感じられる10月下旬。この季節にしか出逢えない、心奪われる「秋色絶景」といえば、冷涼な空気の中でじっくりと育つことで一層鮮やかな色彩を帯び、芳醇な香りを湛える「秋バラ」に他ならない。

 春が一斉の華やかさで圧倒するなら、秋は「花もちが良く、香りが深い」のが最大の醍醐味だ。日ごとに気温が下がる秋は、花がゆっくりと時間をかけて開くため観賞期間が長くなり、昼夜の寒暖差によって色彩が格段に濃く美しく仕上がる。

 さらに、バラには色や品種ごとに深い物語が宿っている。例えば、代名詞である赤いバラには「愛情」「情熱」、気品ある白には「純潔」「深い尊敬」、優美なピンクには「上品」「感謝」といった花言葉があり、古来より人々の心を映し出す鏡として愛されてきた。

 歴史を紐解けば、中世ヨーロッパの庭園で薬用や香料として大切に育てられてきたルーツ(ダマスク系などの古い系統)を持ち、現代に至るまで品種改良のロマンを幾重にも重ねてきた歴史的背景がある。

 今回は、そんな秋バラの真骨頂と歴史のロマンを五感で満喫できる関東エリアのバラ庭園ベスト5を厳選してお届けする。大都市近郊でありながら、横浜港を望む港の見える丘公園や旧古河庭園、神代植物公園、京成バラ園、横浜イングリッシュガーデンといった各名園は、それぞれが独自の品種コレクションやドラマチックな洋館・ガーデンデザインを誇る激戦区だ。

 今週末の秋晴れの休日を最高に彩る極上の空間へ、芳醇なアロマに包まれる優雅なバラ巡りに出かけてみよう。

 なお、本記事に掲載している写真はイメージであり、一部に春バラの写真も含まれていることをあらかじめお断りしておく。

関東の秋バラ庭園を楽しむ3つのポイント

歴史的洋館から港町の展望、広大な植物公園へと連なる「庭園スタイルのリレー」

 横浜の異国情緒あふれる港の見える丘公園から、明治・大正の意匠を伝える旧古河庭園の洋風庭園、世界的な評価を受ける調布の神代植物公園、バラのテーマパークとして進化する京成バラ園、そして英国式庭園が織りなす多彩なロケーション。関東ならではの豊かなバリエーションを日帰りで巡ることができる。

色深さと芳醇な香りがもたらす鑑賞の奥行き

 気温が低くなる秋のバラは、花びらが一枚一枚引き締まり、春よりも一段と深い色彩と濃厚な香りを放つ。視覚だけでなく、まだ空気が澄んだ時間帯に鼻腔をくすぐる優雅なアロマ(ダマスク系やティー系など品種ごとの芳香成分)に包まれることで、一期一会の鑑賞体験がより鮮烈な記憶として刻まれる。

「人が守り伝えてきた美」の物語を歩く

 いま私たちが目にする名園のバラたちは、専門家やスタッフたちの緻密な剪定と手入れ、そして歴史的遺産や地域緑化の営みによって大切に守り抜かれてきた。その背景にある「人の時間の厚み」を感じながら歩くことで、庭園の表情はより一層味わい深いものになる。

関東で見逃せない! 秋バラ庭園ベスト5

第5位:横浜港を望む山手の丘に広がる、香りに満ちた優美なローズガーデン

港の見える丘公園 (神奈川県横浜市)

日本の横浜の港の見える丘公園のバラの花など

 横浜・山手地区の高台に位置し、横浜港を眼下に望む絶好のロケーションを誇る歴史ある公園。園内には「イングリッシュローズの庭」「香りの庭」「バラとカスケードの庭」という趣向の異なる3つのローズガーデンが整備され、約330品種・約1,950株ものバラが秋の潮風を受けて優美に咲き誇る。イギリス館や山手111番館といった洋館の庭を繋ぐように美しい景観が広がる。

【見頃】 10月中旬〜11月中旬

【問い合わせ】横浜市緑の協会 横浜市コールセンター等 
https://www.city.yokohama.lg.jp/

【アクセス】 みなとみらい線「元町・中華街駅」6番出口より徒歩約5分

【行きやすさ・歩きやすさ】 ★★★★☆  洋館に隣接する園内は綺麗に整備されており、港町の景色とバラの香りを同時に楽しめる贅沢な散策路となっている。

第4位:無料送迎バスでもアクセスできる、幾重ものレイヤードが織りなす優美な庭園

横浜イングリッシュガーデン (神奈川県横浜市)

神奈川県横浜市 横浜イングリッシュガーデンのバラ

 横浜市西区に位置し、英国式庭園をベースにした本格的なガーデン。約2,200品種のバラを中心に、宿根草や低木が幾重にもレイヤードされた自然な美しさが特徴。秋のシーズンには、冷涼な気候の中で一段と色づいたバラの鮮やかなコントラストを楽しめる(2018年には世界バラ会議で優秀庭園賞を受賞)。

【見頃】 10月中旬〜11月中旬

【問い合わせ】横浜イングリッシュガーデン公式サイト 
https://y-eg.jp/

【アクセス】 相鉄線「平沼橋駅」より徒歩約10分、または横浜駅西口より無料送迎バスあり

【行きやすさ・歩きやすさ】 ★★★★☆  コンパクトながら緻密にデザインされた園内は歩道がしっかり整備されている。バラの香りに満ちた小道を優雅に散策できる。

第3位:日本庭園と洋風庭園が織りなす、大正ロマン薫るクラシックな空間

旧古河庭園 (東京都北区)

旧古河庭園のバラ

 国指定名勝に指定される旧古河庭園は、小高い丘に建つ西洋館(ジョサイア・コンドル設計)と洋風庭園、そして重厚な日本庭園が見事に調和した名勝。一般開園70周年および国指定名勝20周年を迎える秋のバラフェスティバルの期間中、約100種200株の気品あるバラが咲き誇り、クラシカルな洋館のファサードを背景にした圧倒的な絵画的景観を楽しめる(なお、11月7日〜12月6日には恒例の「紅葉とバラ、和と洋の秋」も開催され、バラと紅葉の競演も味わえる)。

【見頃】 例年10月中旬〜11月中旬(今年は9月の長雨による遅れもあり10月下旬〜、11月6日まで「秋のバラフェスティバル」開催中)

【問い合わせ】 旧古河庭園サービスセンター公式サイト(東京都公園協会) 
https://www.tokyo-park.or.jp/park/kyu-furukawa/

【アクセス】 JR京浜東北線「上中里駅」または東京メトロ南北線「西ヶ原駅」より徒歩約7分(JR駒込駅からは徒歩約12分)

【行きやすさ・歩きやすさ】 ★★★★☆  洋風庭園エリアは比較的整えられているが、日本庭園にかけては石段や傾斜もあるため、歩きやすい靴での来園がおすすめ。なお、窓口販売のほか日付指定のオンライン入園券も導入されている。

第2位:バラとアートが融合する、物語の世界が広がるテーマパーク

京成バラ園 (千葉県八千代市)

千葉県 八千代市の京成バラ園

 関東最大級のバラのテーマパークとして知られる京成バラ園。秋には匠の手によって磨き上げられた芳醇な香りの花々が一面に広がる。今年はシーズンイベントとして「不思議の国のアリス」をモチーフにした『白うさぎのロイヤル インビテーション』などが展開され、物語の世界へ迷い込んだような没入感を味わえる。

【見頃】 例年10月中旬〜11月下旬(11月23日まで秋のシーズンイベント開催中)

【問い合わせ】京成バラ園公式サイト 
https://www.keiseirose.co.jp/

【アクセス】 東葉高速鉄道「八千代緑が丘駅」より徒歩約15分(またはバス)

【行きやすさ・歩きやすさ】 ★★★★☆  園内は美しく舗装されており歩きやすい。バラのトンネルやガゼボなどフォトスポットも多く、優雅な散策に最適。

第1位:世界バラ会連合優秀庭園賞に輝く、国内屈指のバラの殿堂

神代植物公園 (東京都調布市)

神代植物公園のバラ園

 広大な敷地を誇る都内唯一の植物公園で、そのなかでも「ばら園」は世界バラ会連合の優秀庭園賞を受賞した世界に誇る名所。秋のバラフェスタ期間中、約400品種・5,200株もの秋バラが整然と咲き競い、園名を冠した「クィーン・オブ・神代」をはじめとする貴重なコレクションの数々と深い香りに包まれる。

【見頃】 例年10月中旬〜11月中旬(11月23日まで秋のバラフェスタ開催中)

【問い合わせ】神代植物公園公式ページ(東京都公園協会) 
https://www.tokyo-park.or.jp/park/jindai/

【アクセス】 京王線「調布駅」またはJR「吉祥寺駅」「三鷹駅」から小田急バスで「神代植物公園前」下車すぐ

【行きやすさ・歩きやすさ】 ★★★★★  園内はゆったりと散策を楽しめる。期間中には雨天中止となる「バラのカフェテラス」もオープンするなど充実の環境。(※月曜休園:10/26、11/2、9、16等に注意)

編集後記

 バラの歴史やその生態をひもとくと、秋バラこそが「香りの本領」を最も純度高く発揮するシーズンであると言われる。植物は自らを守るためや送粉者を惹きつけるために香りの成分を生成するが、秋の冷涼な空気に包まれることで、また違った味わい深さや芳香が楽しめるようになる。

 大都会の喧騒から少し離れ、深紅や純白のバラに込められた花言葉の物語や歴史的ロマンに想いを馳せながら名園の小道を歩けば、鼻腔をくすぐる気高い芳香が日々の忙しさで凝り固まった心を優しく解きほぐしてくれるはずだ。

 ぜひお気に入りの装いで、関東ならではの壮大な「バラの回廊」へと足を延ばしてみてほしい。お出かけの際は、各施設の公式ホームページ等でリアルタイムの開花情報やイベント情報をチェックしつつ、各地の早朝開園などの特別な機会を狙って訪れるのも、秋バラを最も贅沢に味わう大正解だ。 きっと、あなたの休日を彩る気品ある色彩が待っているはずだ。

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