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【潜入】飛行機ってこうやって作るの!? 「ボーイング737 MAX」工場、ANAはリベット1本までチェック!

2026年10月14日 07時30分更新

文● 中山智 編集●こーのス/ASCII

●200万点の部品が飛行機に! 10日間の組み立て工程を追う

 この工場で使われているのが、「Flow Day(フローデイ)」という10日間の工程管理システムです。工場内の作業エリアが1から10までのポジションに分かれていて、機体は毎日夜になると、天井クレーンや床の移動装置を使って次のポジションへ1歩ずつ前進していきます。

 ◯Flow Day 1~3:緑のシートに包まれた胴体に、断熱材や全長約43マイル(約69km)にも及ぶ電気配線、油圧パイプを丁寧に張り巡らせていきます。機首のレドームやWi-Fiアンテナもこの段階で取り付けられます。

翼も取り付けられる前の状態で、ここから組み立てスタート(写真提供:ANA)

組立ラインで作業が進められている機首部分

 ◯Flow Day 4:主翼、尾翼、そしてタイヤ(降着装置)が合体!

ここで機体が初めて自重で地面に立てるようになり、ここから先は自分の車輪で次の工程へ移動できるようになります。「いよいよ飛行機らしくなった!」と一番ワクワクする瞬間です。

約200万点もの部品が1機の飛行機へと組み上がっていくダイナミックな組み立て工程(写真提供:ANA)

 ◯Flow Day 5~7:ギャレー(厨房)やお手洗いを設置し、初めて電源とオイルを注入します。ライトや計器がパッと点灯し、機体に命が吹き込まれるとともに、客室の与圧テストなど入念な動作確認が行われます。

大きな飛行機が縦に数台並べられるほど、実にアメリカンサイズな工場

 ◯Flow Day 8~10:カーペットを敷き詰めて座席を取り付けたら、両翼の下にピカピカの最新エンジンを懸架。すべての検査をパスした機体が、いよいよ屋外へとロールアウトされます。

組み立て終盤の工程(Flow Day9、10)や塗装について解説されたパネル

●月47機を製造! 巨大工場は24時間動き続ける

 現在、この工場では毎月47機というハイペースで「ボーイング 737 MAX」が生み出されています。現場を率いるケイティ・リングゴールド氏(ボーイング民間航空機部門 737プログラム担当VP兼GM、レントン工場サイトリーダー)によると、2026年7月にはエバレット工場にも新しい最終組立ライン(ノースライン)が開設されました。これからも世界中の空の需要に応えるため、安全を第一にしながら増産体制が整えられています。

●作業が残っていたら絶対に進めない! 品質優先の新ルール

 世界中から「早く飛行機を届けてほしい!」という熱いリクエストが届く一方で、いまボーイングが何よりも大切にしているのが「品質と安全の徹底」です。その象徴ともいえるのが、「Move Ready(移動適合基準)」というルール。

 規制コンプライアンスや品質を担当するヘクター・シルバ氏(バイスプレジデント)によると、以前は少し残ってしまった作業(工程外作業)を抱えたまま次のポジションへ機体を動かしてしまうことがあったとのこと。しかし現在は、「このポジションでやるべき作業が100%終わっていない限り、絶対に次のポジションへ移動させない」というルールを徹底。たとえ一時的に出荷数が減ることになっても、妥協のない品質を優先する姿勢が貫かれているわけです。

ボーイングのバイスプレジデントで規制コンプライアンスや品質を担当するヘクター・シルバ氏

●新人はいきなり飛行機に触れない! まず10〜14週間の猛特訓

 さらに、この品質を現場で支える「人」と「仕組み」の工夫もユニーク。新しく入ったメカニックは、すぐに本物の飛行機の組み立てに入るわけではありません。まず「基礎研修センター」で10~14週間もの間、模擬機体を使ってリベット打ちや配線の練習を重ねます。

基礎研修センターでの研修の様子

 その後も工場内の「SEC(技能向上センター)」で、ベテランのコーチと一緒にOJTを実施。「失敗するなら本物の飛行機の上ではなく、まず練習場で失敗して学ぼう」という方針のもと、一人ひとりのスキルがしっかり確認されてから、初めて本物の「ボーイング 737 MAX」に触ることが許されます。

ダクトのクリアランス(隙間)基準などを視覚的に学ぶためのトレーニングボード

ボルトやリベットの「欠陥(DEFECTS)」を示す品質検査(QA)用のサンプルボードで「長すぎる(LONG)」「隙間がある(GAPPED)」「損傷している(DAMAGED)」といった具体的な不適合例を展示

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