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PCではなくAIサーバーの「裏側」が主役、Vertivが次世代データセンター技術をCOMPUTEXで披露

 COMPUTEXにはASCII.jp読者おなじみの最新PCやビデオカードがところ狭しと並んでいるが、Vertivブースの主役はコンシューマー向け製品ではない。コンシューマーユーザーを裏で支えている、生成AIを動かす大量のサーバーと、その電力・冷却を支えるデータセンター設備なのだ。本稿ではその「裏側の最前線」を見ていこう。

COMPUTEX TAIPEI 2026のVertivブース

 ブース中央で目を引いたのは、AIデータセンターを建物単位で組み立てる「Vertiv OneCore」の大型模型だ。電源設備、サーバーを収めるデータホール、冷却設備、排熱設備などをモジュール化し、工場であらかじめ統合してから現地へ運ぶという。公式には10MWから250MW以上のデータセンターを対象としており、従来工法よりも現場作業を減らすことで、建設期間や設置リスクを抑えるのが狙いだ。

データセンター全体を再現した「Vertiv OneCore」の模型

OneCoreを構成する電源・冷却設備

 より小規模な展示としては、AI向け電源・冷却・ラック・監視機能をまとめた「Vertiv 360AI Solution」が注目されていた。生成AIサーバーは一般的なPCとは比較にならないぐらい電力を消費し、GPUから大量の熱を発生させる。そのため、電源だけでなく、液冷配管や冷却水を循環させる「CDU」、排熱設備まで一体化して設計する必要があるわけだ。

電源と冷却を統合した「Vertiv 360AI Solution」

 次世代の電源方式として、800Vの直流で給電する「Vertiv 800 VDC 4.8MW Power Module」も展示されていた。高電圧の直流を使うことで、大電力を効率よくサーバーラックまで届けるという構想で、NVIDIAの次世代AI基盤を見据えた110kW級の電源ラックや、900kW対応の「PowerDirect 5000」も並んでいた。

800V直流で給電する4.8MW電源モジュール

900kW対応の「PowerDirect 5000」

NVIDIAのAI基盤を想定した電源ラック

 もうひとつの見どころは、NVIDIA Omniverse DSX Blueprintと連携する「Vertiv SmartRun」の「デジタルツイン」システムだ。実際にAIデータセンターを建設する前に、電源、冷却、配管、ラック配置を仮想空間で組み、構成変更や動作を検証できる。

 Vertivが初と謳う統合物理インフラ向け「デジタルツイン」システムであり、ハードウェアの世代交代が速いAIデータセンターを、より短期間で設計、建設するためのソリューションだ。

建設前に設備を仮想検証するデジタルツイン(現実世界にある設備や土地・建物などのデータを収集し、コンピューター上の仮想空間にそっくりそのまま再現する技術)

ラック上部に電源・配線設備を集約

 Vertivブースが今回アピールしていたのは、AI時代の主役がGPUだけではないということ。我々が生成AIを使う裏側では、巨大なサーバー群を止めることなく、動かし続ける電源と冷却設備も必要不可欠だ。ユーザーが直接触れているコンシューマー機器の進化に合わせて、AIサーバーとデータセンターの技術も同じように革新を続けていることに注目したいところだ。

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