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AIの未来は「電力」で決まる? 巨大GPUを支える裏面給電とパッケージ革命

2026年05月04日 12時00分更新

 1ヵ月ほど間が空いてしまったが、ISSCC 2026の解説に戻ろう。今回はForum 3("Powering the Future of AI, HPC, and Chiplet Architectures:From Dies to Package and Rack")の中でインテルが講演した"Integrated Voltage Regulator Solutions to enable 5 kW GPUs"(F3.1)の内容を紹介する。

AIチップのTDPは「4kW超え」の時代へ
電力供給の衝撃的現実

 古い話だが、連載761回でIFS Direct Connectを取り上げた。記事の最後で「2030年代のAIチップのTDPが2000Wを超える」という予測があった。

2030年代になると、AIチップのTDPは2000Wを超えるらしい

 実際にどうなったか? というのが下の画像で、2030年を待たずに2027年の段階で3700Wに達することが確定事項になっている。

Rubinは最大2.3kWのものと1.8kWのものがあり、Rubin Ultraはこの1.8kWのもの×2の構成になる、と予測されている。もっともこの図では2.3kWの方は示されていない

 ここには示されていないが、2027年に投入予定のInstinct MI500は4kW超えが確実だろう。要するに2024年のIFS Directの推定はまだ甘かったというおそろしい事実が明らかになった。それはそれとして、ではこのバカみたいに大きな電力をどうやって供給するのか、というのがこの講演の主眼である。

 インテルはパッケージ技術としてEMIBおよびFoverosをすでに提供中であり、そのEMIBも、内部にMIM(Metal Insulator Metal)キャパシターやTSVを利用可能なEMIB-Tに進化しているのは連載823回でも説明してきた通り。

Foverosはダイ同士の信号配線の高速化や高密度化、効率化には貢献できるが、今回の電力供給にはむしろ不向きである

キャパシターに加え、TSVを使ってパッケージ基板との接続もできるようになったのがEMIB-Tだが、そうでなくても高価なEMIBの実装コストをさらに引き上げている気がする

 そしてこのEMIBを広範に適用することで、大規模なパッケージも構築できるとする。ただEMIBもFoverosも、信号の配線密度や速度の向上にターゲットを置いたものであり、電力供給を考慮したものではない。

EMIBの欠点を挙げるとすれば、隣接するダイ同士でしか接続できない(右端の例で言えば、最上段と最下段を直接つなぐようなGlobal Routingは構築できない)ことだろうか。もっともインターポーザーでそういう使い方をするのは稀だろう

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