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机が振動するからコンパクト、使いこなしもマジ楽しい!

これ何? スピーカー? Egrettaの「OCT BEAT」が高音質で楽しすぎる!!

2024年04月26日 17時00分更新

手前にあるのがOCT BEAT。意味は8角形と振動のBEAT。後ろにあるのは従来製品の無指向性デスクトップスピーカー。

 超コンパクトで使い込む楽しさも味わえる!! これ面白いじゃんと率直に感じるデスクトップスピーカーが登場しました。Egretta(えぐれった)の「OCT BEAT」です。

一見スピーカーとは思えない形の「OCT BEAT」

 まずは広島のオオアサ電子が展開するEgrettaというブランドから。オーディオメーカーとしては比較的新しく、知る人ぞ、知る……という感じかもしれません。とはいえ、最初の製品が出てから、少なくとも10年以上の歴史があり、大きなフロア型の機種からデスクトップ向けの機種までなかなか豊富なバリエーションを持っています。

 ここで紹介するOCT BEATは、その中でも最も小さく、最も個性的な製品と言えるかもしれません。まずは写真から。煙突の先をちょん切った付け根のような個性的な形で、片手に載るぐらいの筐体が3つあると思います。これがOCT BEAT。

 このうちの2台がパッシブスピーカーの「VS70」、中央の1台がUSB DACを内蔵したデジタルアンプの「MA70」です。非常にコンパクトな製品ですが、MA70は25W+25Wと十分な出力を持っており、ブックシェルフ型など一般的なHi-Fiスピーカーの再生にも活用できます。OCT BEATは本日発売で、セット売り(7万8100円)のほか、MA70の単品売り(3万9600円)も実施するそうです。

単体売りもする予定のMA70。LEDでボリューム位置が分かる。低域、高域の簡単なトーンコントロールも可能。

スピーカー端子のほか、USB入力やアナログ入力を持っている。

 サイズは幅58×奥行き81×高さ66mm。筒形の部分はアルミ合金製となっており、VS70はペアで584gの重量があり、手に持つとなかなかの質感です。カッパー調の部分はプラスチックに塗装したものとのことですが、オーディオ機器にとって重要な銅素材をイメージさせるのもいいです。

バナナプラグで接続。端子自体は一般的なものですが、接続しやすいようにプラス/マイナスを一体化したコネクターにしている。

裏からもさせるので、左右どちらにも置ける。

 台座の上に円筒を乗せたデザインは、一見するとスピーカーに見えない独特なものですが、ここには工夫があります。それは独自開発のハイルドライバーを搭載している点、もうひとつが小型の筐体で豊かな音量を出すためにアクチュエーターを活用している点です。この組み合わせによって、驚くほど繊細で、かつ、このサイズから鳴っているとは思えないほど広がりのあるサウンドが浮き上がってくるわけです。

 もう少し詳しく説明しましょう。

 VS70が搭載するハイルドライバー「FS30」は、主に高域を担当し、円形で上向きに配置されています。ハイルドライバーとは、蛇腹のように折りたたんだ薄膜フィルムを左右に収縮させて空気振動に変える仕組みを持つスピーカーです。空気を動かす振動板の面積が大きく、反応を速くできる点が特徴です。響きにもくせがなく、やわらかで爽快感のあるサウンドを奏でることができるほか、35kHzの超高域まで出せるレンジの広さも特徴です。オオアサ電子はこのハイルドライバーを自社開発しており、5年ほど前に出た「TS-A200」よりもさらに小さくしたそうです。直径は50mmから30mmに小型化しました。パワーは出しにくくなりますが、特性や音質については変わらないとのことです。

黒いのがTS-A200のハイルドライバー

このように蛇腹状の振動板が内蔵されている。

 もうひとつの特徴は、底面を震わせるアクチュエーターです。これは下側に置かれており、本体を置いた板や机面を直接震わせて、振動板に変えてしまうものです。オルゴールなどは単体では小さな音しか出ませんが、箱や板の上に置くと大きな音が出てきます。これに近い仕組みです。スピーカーでは箱の大きさによる音の制限がつきものですが、VS70ではアクチュエーターを利用することで、この本体サイズでは普通実現できないような大音量と迫力ある低域を実現できているということになります。

台座の部分にアクチュエーターがつながっており、設置面を振動させる。

 それでは、OCT BEATはどんな音がするのか? 東京にあるショールームで聞いてきました。Egrettaブランドの製品については以前、円筒形で音が360度に広がる無指向性スピーカーを聞いたことがあり、直近の「TS-A200」もデスクトップ再生を想定したコンパクトサイズの筐体に、自社開発のハイルドライバーや珍しいドーム型形状のウーファーなどを備えた個性的な製品に仕上がっていました。

TS-A200

こちらはこちらで特徴あるユニットを使用していた。

 デモではウォークマンのUSB出力からMA70にデジタル信号を送り、VS70で再生します。MA70のUSB入力はUSB Audio Class 1.0、最大48kHz/16bitのPCM信号に対応しています。ドライバーの追加インストールなく、Windows PCなどとも接続できます。また、3.5mmのアナログ入力も備えているため、スマートフォンや携帯プレーヤーとの接続も簡単です。電源は専用のACアダプターからとります。

デモの様子。板を置くと響きが変わる。

 まず、驚かされたのは、解像感の高さです。オフィスにあるようなごく普通の机の上に置いて、ピンクパンサーのテーマ曲を聴いたのですが、音色感の良さ、音抜けの良さに感心しました。音量についても十分で、幅のある机ということもあり自分を中心に音が広がります。スピーカーを机から持ち上げると音が出なくなり、本体が小刻みに振動するだけとなるのも面白いところです。すでに書いたように、本体は小さいため、パソコンなどを置いてあるデスクでも場所を取りません。

 そんなOCT BEATですが、その魅力は使いこなしで音の変化が得られること。つまり、遊びがいがある製品になっているという点です。というのも、アクチュエーターを使用することにより底面にある家具や棚、あるいは板の材質や構造によって、共振の量を変えられるからです。一般的なHi-Fiスピーカーは、音質責任者がきめ細かく決めたサウンドを提供しますが、OCT BEATが奏でる音は使う環境によって振り幅があり、ある意味正解がない、正解を自分で探すのが楽しみと言えます。

制振シートを置くと、付帯音が減って落ち着いた音に

 実際にショールームで体験したデモでも、板を下に敷いてみたり、制振性のあるシートを敷いてみたり、はたまた箱の上に置いてみたりと、いろいろと音の変化を楽しむことができました。買った後の工夫や、置き場所の工夫など、いろいろ試行錯誤する、その過程が楽しいのがOCT BEATと言えるのではないでしょうか?

箱の上に置くと、箱の中の響きも音に影響が出る。

響きすぎるときは、詰め物をするのも有効

奥位置をすこしズラすだけでも音が変化

高級なチョコの箱は硬いので、よりソリッドな音調に

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