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日本初の素材採用で音の奥行きがすごい無指向性スピーカー「TS1000F」

2016年11月25日 12時00分更新

 ポリマー・クレイ・コンポジットを使ったハイルドライバーで、無指向性のハイレゾスピーカーができたという。

 なんだそれ? というので完成披露会に出かけたら、見慣れた人が登場して、まず驚き。ワンペア35万円という決して安くはないスピーカーだが、期待に違わずおもしろいものだったのでご報告したい。

無指向性らしくラフな感じでフロアに置かれた「TS1000F」と、その新製品をプレゼンテーションするオオアサ電子株式会社社長の長田克司氏。ちなみに会場のHOTEL GRAPHY NEZUは、シェアアパートメントなどを展開するグローバルエージェンツの運営

振動板がスカートのブリーツみたいなハイルドライバー

 お披露目された製品は「TS1000F」。広島のオオアサ電子株式会社が展開するオーディオブランド「Egretta」の新製品で、13cmのコーン型ユニットと、5cm角のツイーターによる2ウェイ構成のタワー型スピーカー。その完成披露会が11月22日、根津という渋いロケーションにある、HOTEL GRAPHY NEZUで開催されたのだった。

TS1000Fは円筒形のフロア型で、幅・奥行きは330mm、高さは960mm。結構なボリューム感がある

 オオアサ電子は光学液晶事業が売上の7割を占め、ガラス加工の高度な技術に強みがある。しかしリーマンショック以降、まったく仕事がなくなった。そこで大手の下請けとして蓄えてきた技術でなにかできないか、ということで生まれたのがオーディオブランドのEgrettaであった。と、まず社長自ら、自慢なのか自虐なのかわからない調子で語られた。

スピーカーユニットはすべて上向きにマウントされ、どちらもディフューザーで拡散される。トップがガラス製なのはオオアサ電子ならでは

 今回のニュースは、この製品にツイーターとして使われているハイルドライバーにある。ハイルドライバーというのは、オスカー・ハイルという人が発明したスピーカーユニットの構造で、杭打ち機やプロレスやザンギエフの必殺技ではないのでお間違えなく。

 このハイルドライバーは振動板に特徴があり、スカートのプリーツのような波打った形をしている。これを強い磁界の中に置き、振動板の導電帯に電流を流すと、隣り合うプリーツの山が引き合う。その際に、プリーツの谷から空気を吐き出し、また吸い込むということを繰り返して、空気の波を発生させる。なかなかわかりにくいが、以下の図をじっくり見ながら振動板の動きをイメージしてほしい。

 振動板の動作そのものもおもしろいが、コーン型やドーム型の振動板のような分割振動が起きないので、周波数特性の暴れが少ないのがメリットと言われている。

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