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雪道も砂漠もドンと来い! ポルシェ「911 ダカール」は悪路を得意とするスーパースポーツ

2024年04月14日 15時00分更新

文● 栗原祥光(@yosh_kurihara) モデル●新 唯(@arata_yui_)編集●ASCII

刺激的なエンジン音、車高を気にせずに走れる911

ポルシェ

 慣れない左ハンドル車、とんでもない価格……。緊張の中エンジンスタート。周囲の空気が震えるかのような轟音とともに、一発でフラット6エンジンは目を覚まします。筆者は過去、911 タルガ4、911 ターボカブリオレ、911 カレラカブリオレと3台の911を試乗した経験がありますが、それらとは比較にならないほどのメカノイズと排気音の大合唱が車内に響きわたります。緊張の中、シフトモードをDにセット。緊張と興奮で体がこわばります。

ポルシェ

 走り始めて気づくのは、筆者が知りうる911の中で「最も乗りやすい911」であるということ。まず車高が高いことから、ガソリンスタンドやコンビニへ行く際にヒヤヒヤすることはありません。それにアイポイントが高いので、視界は普通のセダンと同等か、それ以上。ダッシュボードの反射防止のスウェード調素材も効果抜群で、いかなる光線下でも視界はクリアーそのものです。

ポルシェ

 ポルシェらしい精密感、安定感を味わいながら、乗り心地とステアフィーリングの心地よさに感心。911らしい硬質さを残しながらも、カレラともターボとも違う、一般道の荒れた道でも苦痛を感じさせない絶妙なバランスに感心しきりです。

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 オールテレーンタイヤ(全地形型タイヤ)ゆえ、ロードノイズは相応に聞こえてしかるべきなのですが、いかんせんメカノイズと排気音の大合唱ゆえ、まったく気にならず。音圧レベルそのものはNISSAN GT-R NISMOの比ではないのですが、でも「心地よい」と思わせるサウンドチューニング。GT-R NISMOも心地よいのですが、さらに上を行くのがポルシェ。助手席に座る唯さんも「大きいですけれど、嫌いじゃないですよ」とにこやか。

 ドライ路面でスタッドレスタイヤを走らせたときのような「グニャ」とした感覚は少ないものの、ないわけではありません。でも、それが良い味付けになっているから不思議。

ポルシェ

 大本命のRALLYEモードは感動のひとこと。さらに音が大きく、そしてシフトタイミングも上でつなぐ雰囲気。シフトダウン時にはブリッピングの演出に「運転が上手くなった気がします」と唯さん。これがスピーカーからの演出ではないようで、屋外でいても、結構遠くからでも「なんか、とんでもないクルマが来たぞ」とわかるような音を響かせます。

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 このラリーモードは音やら演出だけがすごいわけではなく、一般道でも確実に接地感という部分で違いが体感できます。普通に走らせて911でオーバーステアの挙動を体験することはないのですが、それでも首都高のC1京橋などをオーバースピード気味に突っ込むと「およよ?」と思ったりも。ですが、このラリーモードはオンザレールで走り抜け、乗り心地の良さも相まって気持ちよさ過去最高! 「四駆は曲がらない」とかいうのは、平成初期の四駆と峠漫画での話です。

ポルシェ

 道を選ばず、いつまでも運転していたい。そんな気持ちになった911は初めて。「家を売ってでも欲しい!」と頭をよぎったことを正直に告白します。残念ながら、国内割り当て分はほぼ完売だそうで、もはや手に入れることは困難だそう。

ポルシェ
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 試乗した唯さんも「ホントに運転しやすい911でした。車高が高いからかな。あと音がすごく良かったです」とニコニコ。ですが「私が買うなら911のカブリオレですね」とも。とりあえずポルシェは最高ということで。

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 オフロードを走らずとも911 ダカールは、911の新しい魅力を切り拓いたことに間違いはありません。「望むなら連れて行こう」ポルシェは我々にそう語っているように思います。

ポルシェ
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 自分はとても買えない金額なのですが、911ラリーというような名前で、レギュラー化してほしいと思ったり。そして、911ラリーをベースにWRCに参戦してほしいなとも。ポルシェは959以後、ワークス体制のラリー参戦はしていませんから……。

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モデル紹介――新 唯(あらた ゆい)

 10月5日栃木県生まれ。ファッションモデルとしての活動のほか、マルチタレントを目指し演技を勉強中。また2022年はSUPER GTに参戦するModulo NAKAJIMA RACINGのレースクイーン「2022 Moduloスマイル」として、グリッドに華を添えた。

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