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ドイツでビールとソーセージとBMWを楽しむ! BMWミュージアムはクルマ好きなら絶対行くべし

2024年02月04日 15時00分更新

 ドイツの3大自動車メーカーのひとつであるBMWは、日本でも多くのファンを持つ高級車として知られています。昨秋、ドイツ本国にある公式博物館「BMWミュージアム」を尋ねたのでレポートします。

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ドイツ・ミュンヘンにあるBMW本社とBMWミュージアム

BMW本社に隣接なのでBMW乗りは聖地巡礼

 BMWミュージアムは、ドイツ南部最大の都市「ミュンヘン」にありますが、なんとBMW本社に隣接しています。それ以外にも、BMW新車展示施設「BMWワールド」や完成車工場があるなど、まさに一帯はBMW一色。このため、BMWミュージアム周辺は、観光地としても人気があるそうです。私が訪ねた当日も、世界各国からの来館者の姿が見られました。

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博物館チケット売り場前で、貴重なBMW M1プロカーが来館者をお出迎え

 最初の写真に映っている中央のユニークな形のビルが本社施設で、その下にある低い建物がミュージアムの本体となっています。実は入口と企画展用の展示施設以外は、すべて地下となっています。なお、入館料は大人10ユーロなので、日本円で1600円ほど。

見どころが多すぎだけど順路が複雑

 博物館内部は、テーマごとに展示エリアが分かれていますが、気を付けていないと見落としてしまうエリアがあるほど順路が複雑。ただ戻ったりするのも自由にできます。主に、4輪乗用車、レーシングカー、オートバイ、そしてエンジンも多く展示されています。ちなみに、BMWとはバイエルン発動機製造会社の略であり、航空機向けエンジン製造が原点となっています。

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BMWモドラッド(オートバイ)の展示方法にビックリ!

 驚きの展示だったのが、オートバイです。まるでミニカーを展示するかのように、なんと壁一面に様々なモデルたちが飾られていたからです。順路となるスロープの手すりの付近には、各モデルの解説プレートがあり、その詳細を確認することができます。しかし、ガラス越しのうえ、距離もあるため、オートバイファンにはちょっと残念かもしれません。

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BMWを支えてきた歴代コンパクトクラス群

 ついつい見入ってしまったのが、BMWの主力モデルである3シリーズ系の展示エリアです。BMWのセダンである「ノイエ・クラッセ」のひとつ「BMW1600」と歴代3シリーズが飾られていますが、いずれも日本人にもなじみ深いものばかりです。このように同系列の歴代モデルが飾られているのはこのエリアだけに、同社にとって3シリーズの存在の重要性を感じます。

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BMW 325iカブリオレ(1986年)。バブル期にバカ売れした2代目は、六本木でよく見かけたため「六本木カローラ」とも呼ばれました

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BMW 323iセダン(1999年)。今でもファンが多い4代目モデルですが、登場から20年を超え、立派なネオクラシックカーに

展示エリアは4つのテーマにわかれている

 展示エリアは「BMW M」「デザイン」「テクノロジー」「モータースポーツ」などを主軸に、テーマ別の展示が行なわれているため、歴代名車をずらりと並べるというよりも、テーマ別に象徴的なモデルが飾られています。その一部をご紹介しましょう。

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BMW Mコーナーの目玉は、やはりM1。貴重なロードカーとレース用プロカーの見比べができるのはスゴイ!

 BMW Mコーナーの入り口で出迎えてくれたのが、高性能なMモデルを手掛けるBMW M社(※当時は、BMWモータースポーツ社)の第1弾モデルでもあり、開発にイタリアのスーパーカーメーカー「ランボルギーニ」が関わったという壮大な物語を持つ1台です。このほかにも初代M5や4代目M3 GTS(E92)なども展示されていました。

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コンセプトカー「BMW Vision Efficient Dynamics」は、その特徴がプラグインハイブリッドスポーツの「i8」にしっかりと受け継がれていたことを教えてくれます

 デザインコーナーでは、時代を先取りしたPHEVのエコなスーパーカーとして登場した「BMW i8」の原点であるコンセプトカー「BMW Vision Efficient Dynamics」や70年代のラグジュアリークーペ「BMW 3.0 CSi」などが展示され、BMWデザインの進化の歴史に触れることができます。

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エルビス・プレスリーがドイツでの兵役中に購入し、愛用していたというBMW 507

 もちろん、公式博物館ならではの数々の貴重なモデルたちに出会うことも。そのひとつが「エルビスのBMW 507」です。なんと「キングオブロック」といわれるエルビス・プレスリーが所有していたもの。その展示エリアは、BMWミュージアムで最も華やかなステージとなっており、伝説のロックスターへのリスペクトが感じられます。

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市販されたZ1(マルーン)とZ8(シルバー)とともに並ぶ、プロトタイプの850iカブリオレ(レッド)

 オープンカーエリアでは、「Z1」や「Z8」などの稀少なモデルに加え、フラッグシップクーペ「850i」をオープン化した試作車「850iカブリオレ」などを展示。さらにBMW 502 V8カブリオレ(1966年)といったクラシックモデルも。

貴重なクルマたちを柵ナシで見られる!

 驚くべきは、これらの展示車の周囲に柵がなく、間近で見れること。もちろん、触れることはNGですが、細かいディテールや内装まで確認できるのは、来館者にとって非常にうれしいポイントです。

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BMW 502(1966年)。V8エンジンを搭載した高級オープンカー

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フランク・ステラ作のアートカーBMW 3.0 CSL(1976年)

 BMW車をアーティストが美術品に仕上げたアートカーも展示されています。今回は、アートカー2作目となるフランク・ステラが手掛けたBMW 3.0 CSLが飾られていました。こんな世界に1台だけの特別なクルマに出会えるのです。展示されるアートカーは、1台のみでしたが、パネル展示でほかのアートカーについても紹介されていました。

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BMW イセッタ(1955年)。フロント部が開閉するユニークな2人乗り乗用車

 普通車が基本のBMWの中でも、珍しい存在がイセッタ。イタリアのイソ社が開発製造したものをBMWがライセンス生産したものですが、当時経営が厳しかったBMWを支えた1台でもあります。その展示エリアの周囲には、かつてのオーナーたちとイセッタの写真が多く飾られており、当時の活躍を知ることができました。電動車時代がやってきた今、もし身近で可愛いBMWが復活したら、人気となるかもしれませんね。

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100周年を迎えたBMWモトラッドの特別展示が行なわれていました

 特別企画展は、BMWモトラッド100周年を記念したもので、数々のBMW製オートバイが展示され、こちらも見ごたえ十分。本館のガラス展示とは異なり、目線に近い高さに飾られており、じっくりと鑑賞できました。この企画展では、50台以上のオートバイが展示されているそうなので、オートバイファンやBMWモトラッドファンには、ぜひ開催中に足を運んでみてください。

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4輪車やオートバイだけでなく、航空機用のエンジンの展示も

ドイツ旅行の際には立ち寄るべき名所!

 私が紹介できたのは、BMWミュージアムの魅力のほんの少しにすぎません。このほかにもエンジンやモータースポーツなどの展示もあり、それらも見所満載です。さらに隣接する展示施設「BMWワールド」では、最新モデルたちが飾られており、こちらは無料で見学でき、カフェやレストランも併設されています。

 ぜひドイツ旅行を計画される際、BMWミュージアムを候補にいれておいてください。クルマに興味があるならば、きっと楽しい時間を過ごせるはず。また、ミュンヘンはビールの街としても有名なので、夜には美味しいドイツビールを楽しむこともできますよ!

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モータースポーツで活躍した名車たちも間近でじっくりと鑑賞できます! BMW 3.0 CSLレーンクーペIMSA(1974)

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