週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

ソニーのXRは圧倒的に解像度が高かった アップルと違い、クリエイターに特化した作りに

2024年01月15日 07時00分更新

アップル「Vision Pro」と違い、3D制作などに特化

 ソニーは、今回のXRヘッドマウントディスプレーについて、当面は一般向けの販売は想定しておらず、まずは3Dコンテンツクリエイターなどのプロ向けへの販売を予定している。

 そのため、第一弾としてシーメンス社とパートナーシップを組み、同社のNX Immersive Designerと統合し、製造業向けに3D空間で、デザインやレビュー、協業の作業を行えるようにするという。

 この市場においては、かつてマイクロソフトが「Hololens」を手がけていたが、あまり上手いっている印象はない。実際、Hololensは視野角がかなり狭く、解像度も低く、使い勝手はイマイチだった。用途に関しても、工場などのメンテナンスや研修作業向けが多いという感じであった。

 ソニーとしては、片目4Kという圧倒的な高解像度での違いを見せつけるとともに、クリエイター向けというソニーが得意とするユーザーターゲットに絞ることで、ビジネスチャンスを見いだしているようだ。

 奇しくも今年のCESが始まる直前にアップルが「Apple Vison Proを2月2日に米国で発売する」とアナウンスした。当然、ソニーのXRヘッドマウントディスプレーもApple Vison Proと競合するような気もするが、こちらもApple Vison Proが「空間コンピューティング」として幅広い用途を狙っているのに対して、ソニーとしては3D制作などのクリエイターに特化する戦略で、棲み分けを図っていくようだ。

 

筆者紹介――石川 温(いしかわ つつむ)

 スマホ/ケータイジャーナリスト。「日経TRENDY」の編集記者を経て、2003年にジャーナリストとして独立。ケータイ業界の動向を報じる記事を雑誌、ウェブなどに発表。『仕事の能率を上げる最強最速のスマホ&パソコン活用術』(朝日新聞)『未来IT図解 これからの5Gビジネス』(MdN)など、著書多数。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事