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君は、電気メッキを知っているか

誰でも手軽に金メッキができる「めっき工房」がおもしろい

2023年11月06日 18時00分更新

ニッケルメッキ&金メッキを試してみた

 まず最初にすることは、メッキしたい金属をとにかく磨くこと。メッキはかなり薄いので傷を隠すのがほぼできず、残ってしまいます。とにかく下地をいかにキレイにするかが重要です。

 付属の研磨剤もありますが、徹底的に磨くなら番手の高い紙やすりを使い、傷を消した方がいいでしょう。その後、研磨剤を付けた布で磨くと、鏡のようにキレイになります。

紙やすりである程度削った後、研磨剤でも磨きました

 磨いた後は研磨剤をふき取り、キレイに洗います。なお、この時から素手で研磨した面を触らないように注意。皮脂などの汚れが付くと、メッキがうまくいかないことがあるからです。

 洗い終わったら、いよいよめっき筆を使った作業に入ります。まずは脱脂から。白い筆先をセットし、小皿の上でフェルトに脱脂液を染み込ませます。

フェルトを小皿に押し付けると染み出すくらい、たっぷり付けます

 めっき筆から出ているケーブルをピンセットに取り付け、準備完了。ピンセットでメッキする金属に触れることで導通し、筆先から気泡が出てきます。メッキする面をまんべんなく脱脂していきましょう。

ピンセットで触れながら筆先で脱脂します

 脱脂が終われば、水を入れたコップにメッキしたい金属を入れて洗浄します。洗浄後はすぐに次のメッキ作業に取り掛かるため、そのまま水に漬けた状態で準備を進めます。

 準備といっても、基本的に脱脂と同じ。筆先を交換し、洗った小皿の上で金属イオン溶液を染み込ませ、ピンセットと接続するだけです。

 金メッキをする場合でも、下地にニッケルメッキをしておくと剥がれにくくなるとの事なので、まずはニッケルメッキから。金属を洗浄水から取り出し、筆先をゆっくり動かしながらメッキしていきます。

ニッケルメッキは色がすぐに変わるのでわかりやすいです

 金属イオン溶液はなるべくたっぷり付けると、金属イオンが多く含まれている状態になるので、メッキがしやすくなります。といっても、垂れてしまうともったいないので、ジャブジャブになるほどは必要ないですが。

 イロイロ試していいなと思った方法は、まず、軽く押すと溶液が少しにじみ出るくらい染み込ませた状態でメッキ作業を開始すること。メッキがあまり進まなくなったと感じたら、キッチンペーパーに押し当てて、フェルトに残った溶液を吸い取ります。その後、新しく溶液をフェルトに染み込ませ、再度、メッキをするという方法です。

 メッキが進むということは、それだけ溶液中の金属イオンが減るということ。減ったままだとメッキができなくなるので、フェルト中の溶液を強制的に入れ替えるというのが狙いです。

 ただ、ニッケルはかなりメッキがしやすいので、そこまで頑張らなくても何とかなります。この方法は、次の金メッキ時に使うといいでしょう。

 ニッケルメッキが終わったら、再び水で洗浄します。

 金メッキの準備は、ニッケルメッキと同じ。めっき筆から筆先を抜き、金メッキ用の筆先へと交換。洗った小皿に金の溶液を出し、筆先のフェルトに染み込ませます。

 洗浄水から金属を引き上げたら、スグに金メッキを開始。水を拭いたりする必要はありません。

金はメッキがしづらいので、ゆっくり何度も丁寧に

 ニッケルと比べると金は色の変化がわかりにくく、メッキの進行状態を把握しづらいです。また、ニッケルほど早くメッキが進むわけではないようなので、焦らずゆっくり何度も筆先を往復させてメッキしていきましょう。

 メッキが終われば洗浄して溶液を洗い流し、完成です。

 なお、余った溶液などは紙に染み込ませて捨てましょう。そのまま流しに捨ててしまうのはダメです。小皿やコップに付着した少量であれば、大量の水で洗い流せばOKです。

手前はニッケルで、上が金メッキ。左は下地の真鍮のままです

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