「ドライバーは、ネジが回せればいいから100均の工具でも十分だ」というのは、確かにその通り。ネジの頭をなめやすい、持ちにくい、回しにくいなどなど、不満がないわけではないですが、年に何度も使わない人であれば、そこまで困ることはないでしょう。
しかし、毎日とは言いませんが、週に数回……いや、月に数回くらい使う機会があるなら、ドライバーにこだわりたいところ。それだけネジを回す機会があれば、失敗してネジの頭をなめてしまう確率が高くなりますし、なにより、使いにくいものを使い続けるのはストレスになるからです。
また、100均だと必要なサイズがあるとは限りません。近いサイズで妥協した結果、空回りさせてしまいネジの頭を潰した……なんてことになれば目も当てられません。変な妥協をする前に、ホームセンターに走りましょう。数百円くらいのドライバーでも、100均よりいいものが多数揃っています。
必要に応じて入手していくと
サイズがバラバラになってしまう問題
とはいえ、必要に応じてその都度入手していくスタイルだと、グリップサイズや長さが大小バラバラ、デザインも統一されていないドライバーが手元に集まることになります。今、自宅の工具箱の中身を思い浮かべた人は、たぶん、それに近い状態になっているのではないでしょうか。
ドライバーをそこそこの頻度で使い、使うものはとりあえず揃ってはいるけど、そろそろ良いモノへと買い替えたい。そんなことを考えている人に紹介したいのが、今回試用したWera(ヴェラ)の「クラフトフォーム コンパクト 60」(実売価格1万4500円)です。
Weraのドライバーは
見た目だけでなく実用性も高いデザイン
Weraはドイツの工具メーカー。一度は目にしたことがあるであろう、独特な形状のハンドルと色使いが印象的なメーカーです。
一見すると、「なんか変な形してるな」くらいの印象になりがちですが、握ってみるとこれがびっくり。くびれの位置がちょうど指や手のひらの形にフィットして、想像以上にしっかり握れます。それも形に合わせて無理に指を置くのではなく、何気なく握っただけでフィットするというのが新鮮です。
手の大きな人なら指の間が詰まり、小さな人なら開くといった差はありそうですが、ほとんどの人が無理なく力を入れられる位置でフィットする形状だと思います。
手にするまで、緑の部分はデザイン上の物だと思ってましたが、この部分は少し柔らかく、摩擦の強い素材でできています。これが滑り止めとなり、しっかりとネジを回せるわけです。
黒い部分は固い素材でできており、緑の部分よりも摩擦が少なめ。軽く握ったときはこの黒い部分でドライバーを空転させて素早く回せ、しっかり握ると滑りにくい緑の部分で力強く回せるという、理にかなったデザインです。
ちなみにこのドライバーのハンドル(クラフトフォームハンドル)は「816R」という型番ですが、自分の手のサイズにピッタリ。ハンドルの端が、ちょうど手のひらの中心近くにくるため、押し付けながら回しやすいということに気づきました。こればかりは握ってみないとわからないので、できれば店頭で試して欲しいです。
ビットは、長さ89mmのものがセット。プラス×3、ポジ×3、トルクス×5、六角×4、マイナス×1で、それぞれサイズの異なるものが用意されています。
ビットの着脱部には「ラピダプタークイックリリースチャック」というものが採用されており、ビットを軽く押し込むだけで、カチャっとロックされます。
取り外すときは、スリーブを引っ張るだけ。一度引くとロックが解除された状態で固定されるため、手を離しても大丈夫。ビットが簡単に着脱できます。
この手の差し替え式ドライバーだと、スリーブを引いたままビットを着脱するとか、力任せに押し込むor引き抜くといったものが多いですが、それらと比べとても使いやすく感じました。
ちなみにビットは、6.35mm。他社製のビットも装着できますが、試した範囲では、両頭のものはロックされないことがあるので注意しましょう。
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