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サイネージ向けディスプレー「JN-Si43UHDR-24」「JN-Si55UHDR-24」開発の経緯をインタビュー

えっ!?液晶って24時間点けちゃダメなの?サイネージ向け新製品は30%オフになるプログラムも

2023年10月14日 10時00分更新

文● ジサトラユージ 編集● ASCII
提供: 株式会社JAPANNEXT

 デジタルサイネージは今や日常の景色として見られる存在。店舗なら広告やメニュー、お知らせの表示。オフィスならフロントに置いたり、会議室の使用状況を表示したりなど、さまざまな用途に使われる。

 当然、サイネージにはディスプレーが必要だが、基本的に静止画かちょっとした動画を映しっぱなしにしておくのがサイネージというもの。ゲーミング用途のように高いリフレッシュレートが必要なわけではないし、オフィス用途で便利なKVM機能などもあまり必要性はない。

 ある程度サイズは必要かもしれないが、それ以外のスペックに関しては正直「適当に安いやつで十分なのでは?」と思ってしまうのもやむを得ない。しかし、実はサイネージとして使用するにも、ディスプレーによって適性がある。そう、サポートする“連続稼働時間”の長さである。

 「ディスプレーに稼働時間の制限なんてあったのか?」と思う人も少なくないだろう。実は筆者も、これまでまったく意識したことがなかった。しかし、9月に同社から24時間365日の連続稼働をサポートする「JN-Si43UHDR-24」および「JN-Si55UHDR-24」が発売されたことで、その必要性を認識することになった。

 これらの製品は、JAPANNEXTがデジタルサイネージ向けに開発したもので、同社としてもこのジャンルに特化した製品に取り組むのは初めての経験だという。サイネージに適したディスプレーとは? そもそも、連続稼働時間が長いとどういった良いことがあるのか? というのを、この機会に同社にお聞きしてみた。

普通の液晶ディスプレーは24時間使ってはダメ?

55型のサイネージ向けディスプレーJN-Si55UHDR-24。直販価格は12万9800円。ちなみに、43型のタイプは9万9800円となる

 まず、今回同社が発売したサイネージ向けディスプレーについて紹介しておこう。解像度4K(3840×2160ドット)で43型の「JN-Si43UHDR-24」、55型の「JN-Si55UHDR-24」という2種類の製品が販売されている。

 どちらもIPSパネル搭載で、HDR 10をサポート。sRGBカバー率がJN-Si43UHDR-24で96%、JN-Si55UHDR-24で98%と色域もしっかり広い。そしてこれらの製品は、24時間365日の連続稼働をサポートしている。

 実は、一般的なディスプレーにおいて保証している連続稼働時間は、およそ10~12時間程度が多い。普段はあまり意識しないかもしれないが、スペック上で「1日当たりの最大使用時間」として記載されていたり、注意事項などに「24時間連続使用することを前提として設計されておりません」といったような文言があったりする。

JAPANNEXTの場合は、マニュアル上の注意事項の部分などで使用時間に関する文言(赤枠部分)が確認できた

 では、この連続稼働時間を超えてひたすらディスプレーを点け続けるとどうなるのか。多くのディスプレーは、液晶層によって通過するバックライトの光を制御し、その光がカラーフィルターを通過することで、映像を出力している。

 設計上の想定稼働時間を超えて点灯させることを繰り返していると、バックライトの劣化により輝度の低下や色むらが出たり、パネルの分子の配列が変わって画面が黄色っぽくなったりと、ディスプレーの品質が低下する恐れがある。

 しかも、そのように設計上の想定を超えた使用で不具合が起きた場合、保証期間内でもサポート対応してもらえない場合があり得る。そこで生み出されたのが、JN-Si43UHDR-24やJN-Si55UHDR-24というわけだ。

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