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ネットバンキングから数百万円盗んだ例も

偽のマイクロソフト社員にPCを遠隔操作されて金銭を騙し取られる詐欺発生

2023年09月30日 10時00分更新

マイクロソフトを騙って金銭を騙し取る詐欺が横行

PCを遠隔操作されて金銭被害に!?

 2023年9月28日、消費者庁は“マイクロソフトのロゴを用いて信用させ、ウイルス駆除などと称して多額の金銭を支払わせる事業者に関する注意喚起”を発表しました。

 消費者庁の発表によると、本件の概要は以下の通り。

 パソコンでウェブサイトの閲覧などをしていると、「Microsoft」のロゴに併せて、「Windows Defenderセキュリティセンター」や「検出された脅威:トロイの木馬スパイウェア」「Windowsサポートへのお問い合わせ:(電話番号)」など偽の警告(以下「偽警告」といいます)が表示されるとともに、ピーといった警告音や「コンピュータのロック解除をするにはすぐにサポートに連絡してください」などのアナウンス(以下「警告音等」といいます)が流れます。

 驚いた消費者が表示された電話番号に電話をかけると、「マイクロソフト」の社員等と名乗る者から、「あなたのパソコンは危険です」などと説明され、パソコンを遠隔操作されてインターネットバンキング(以下「ネットバンキング」といいます)により多額の送金等をしてしまったなどという相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。

 消費者庁が調査を行ったところ、上記行為を行う事業者(以下「本件事業者」といいます)が、消費者の利益を不当に害するおそれのある行為(消費者を欺く行為)を行っていたことを確認したため、消費者安全法(平成21年法律第50号)第38条第1項の規定に基づき、消費者被害の発生又は拡大の防止に資する情報を公表し、消費者の皆様に注意を呼びかけます。

 また、この情報を都道府県及び市町村に提供し、周知します。

偽警告の例(消費者庁)

 これは「フェイクアラート」と呼ばれる偽の警告画面を使った詐欺で、以前は悪意ある人たちが広告収入を得る(アフィリエイトで儲ける)ために、正規のセキュリティ対策アプリをインストールさせてダウンロード数を水増しするという手口の一環として使われることもありました。

 今回発表があった手口はさらに悪質で、アフィリエイト収入の水増しどころか、被害者から金銭を盗んでいます。

 対策としては、あらゆる警告画面は一旦閉じることです。ブラウザごと終了させることをおすすめします。そしてあらかじめセキュリティ対策アプリをインストールしておくことも重要です。件のような警告画面を閉じた後は、念のためPCをウイルススキャンすることで不安も取り除かれるでしょう。

消費者庁から注意喚起のチラシも

 なお、万が一被害に遭った場合は、下記の相談窓口に問い合わせすることをおすすめします。

◆消費者ホットライン……電話番号 188(いやや!)
◆警察相談専用電話……電話番号 #9110
◆情報セキュリティ安心相談窓口……電話番号 03-5978-7509
https://www.ipa.go.jp/security/anshin/about.html

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