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ガジェット分解をしたい貴方へ

分解マニアの聖地「iFixit」公式分解ツール ガジェット修理はこれで完璧!

2023年08月21日 18時00分更新

分解に便利なオープナーなどの種類が豊富

 多くの機器はネジを外しただけでは分解できず、ツメを外したり、テープを剥がしたりといった作業が必要です。こういった作業を行うのに便利なツールが豊富に揃っているのが、「iFixit Pro Tech Toolkit」のいいところ。

 まずは、隙間に滑り込ませてディスプレーやケースをこじ開ける、オープニングツールから見ていきましょう。

分解ツールセット「iFixit Pro Tech Toolkit」

分解のメインとなるのがこの4点

 ナイフ型のJimmyは時計のこじ開けに近く、薄くなっている先端を接合部に滑り込ませ、隙間を広げるときに役立ちます。この広げた隙間に、プラスチックのオープニングツールやピックを挿し込み、スライドしながらツメやテープを外していく、というのがよくやる手順ですね。

 吸盤は何に使うのかというと、ディスプレーなど両面テープで固定されているものを剥がす場合。テープを温めて柔らかくし、吸盤を使って引っ張ることで剥がせるわけです。

ディスプレーなど、テープ固定の物を外すときに活躍

 無事ケースが開いてから使うのが、スパッジャー。ヘラですね。これは何に使うのかといえば、残ったテープを擦り取る、ゴムキャップを取る、コネクターを外す、奥のケーブルを引き出すといった作業用です。

分解ツールセット「iFixit Pro Tech Toolkit」

素材や先端形状の異なる3種類が付属

 黒いのは絶縁性のナイロン樹脂でできているので、基板上のコネクターを外したりといった作業に向いています。また、強度はありますが硬度がなく、傷をつけにくいのが特徴。テープの残骸剥がしといった掃除用途でも活躍してくれます。

 銀色のは金属製で、簡単には曲がらない頑丈さがメリット。硬いツメを押す、はめ込まれたパーツをテコのようにして外す、といったときに便利です。

 ピンセットは先の異なる2種類と、逆作用ピンセットの合計3種類。

分解ツールセット「iFixit Pro Tech Toolkit」

ピンセットは用途によって使い分け

 柄の黒いピンセットは静電防止、防磁仕様。磁力を帯びてないためネジがピンセットにくっつかず、小さなネジをネジ穴に誘導する場合などに活躍してくれます。

 ピンセットの先は、平らなストレートと、曲がった細いものの2種類。ケーブルやコネクター類は平らな方、ネジなど小さいものを掴む時は細い方と使い分けるといいでしょう。

 もう1つのピンセットは、逆作用ピンセット。つまむと開き、手を離すと閉じるという動作をします。

手を離しても、対象を掴んでいてくれます

 小さなネジやコネクターを掴んだまま動かすときや、ルーペで拡大して見るときの支え、クリップのように挟んで固定しておきたい場合などに使うと便利です。先は傷つけにくいナイロン製。

 セットの最後は、静電気防止用のリストストラップ。ストラップ部を腕に巻き、クリップを作業時の導電性マット、もしくは机などに挟むことで、体の静電気を逃がしてくれるもの。とくに高価な電子機器をいじる場合は、保険のために着けておきたいですね。

分解・修理の準備がこのセットでほぼ揃う!

 デジタルガジェットの分解に必要なオープニングツール、特殊ドライバーがセットになっており、とりあえずこれさえあれば困らない、というのが「iFixit Pro Tech Toolkit」の強み。コンパクトにまとめておけるので、作業を始めてからアレがない、コレがないと探し回ることもありません。

分解ツールセット「iFixit Pro Tech Toolkit」

全てのツールをまとめて収納可能

 もちろんこのセット以外にも、シリコンマットやマグネットシート、ヒートガン、IPA、キムワイプなども用意しておきたいですが。

 iFixitのツールはこのセット以外にも数多くあり、ディスプレーを剥がしやすいAnti-Clamp(リバースクランプ)、加熱用のiOpener、作業マットのFixMat辺りは、ゆくゆく買い集めたいところ。

 大切なデジタルガジェットの修理をするなら、ガジェットそのものはもちろんですが、修理に使う道具にもこだわりたいですね。

●お気に入りポイント●

・分解に長けたiFixitへの信頼感

・精度が高く種類が多いビット

・消耗品のピックなどは複数枚セットに

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この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

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