微細なケイ酸化合物で隙間を埋めて摩擦を高める
「ネジすべり止め液」
「ネジすべり止め液」はネジへの摩擦を高め、普通のドライバーでもなめたネジを回せるようにしてくれるという、謎テクノロジーアイテム。
「摩擦増強液」とあるので、粘性の高い物かなと思ったのですが、実際は意外とサラサラ。成分を確認してみると、「ケイ酸化合物」とありました。
ケイ酸化合物で有名なのは、SiO2、つまりガラスですね。また、工業用として有名なのは、ルビーをも上まわる硬度を持つ、炭化ケイ素でしょう。
ケイ酸化合物は硬度が高いうえ、多くは力を加えても変形しにくいのが特徴です。ドライバーとネジ頭の隙間に挟まっても壊れず、逆に柔らかいネジ頭に食い込んでくれます。隙間を埋めて空回りを防ぎ、食い込みで摩擦を強化することで、なめたネジでも回せるようになる、というわけです。
使い方は簡単。なめてしまったネジに少し垂らし、あとはドライバーを押し付けながらネジを外すだけ。普段使っているドライバーがそのまま使えるため、プラス、マイナス、ヘクスローブ、六角穴付き、六角ボルトなどなど、どんなものにも使えます。
ネジの種類・サイズごとに工具を用意する必要がなく、汎用的に使えるのがいいところです。
ただし、摩擦を強化するだけなので、そもそも取っ掛かりのない潰れたネジは難しいでしょう。また、ネジのサイズに合っていないドライバーが使えるようになるわけでもないので、正しいサイズのドライバーを使う、というのは最低限のルールです。
「ちょうどいいサイズのドライバーがなくて、ちょっと小さめのを使ったら空回りしてネジの頭をなめちゃった」みたいなときは、まず、正しいサイズのドライバーを用意しましょう。ネジすべり止め液を使うのは、それからです。
特殊工具としてではなく
普段から使える手軽さが◎
ビスブレーカードライバーの先端は特殊な形状をしていますが、通常のプラスネジを回すのにこれといったデメリットはなく、普段使いもOK。また、ネジすべり止め液は、そもそも普通のドライバーと組み合わせて使うアイテムです。
つまり、「普段使っているドライバーで、なめたネジも回せればいいのに……」という希望を叶えてくれるのが、この「ビスブレーカードライバー」と「ネジすべり止め液」ってコト。ちょっと失敗しても道具を変えずにリカバーできるのは、めんどくさがり屋さんとあわてんぼうさんには、かなりありがたいです。
ただし、なめにくいビスブレーカードライバーでなめてしまった場合は、ネジへのダメージが大きい点には注意。頼れる工具なのは間違いないですが、頼りきって甘えた使い方をしないように注意したいところです。
●お気に入りポイント●
・普段使いのドライバーとしても使える
・普通のドライバーでなめたネジが回せる
・意外と安い!
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