週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

普段使いOK!

軽くなめたネジも回しきる!謎テクノロジー「ネジすべり止め液」と「ビスブレーカードライバー」

2023年08月07日 19時00分更新

微細なケイ酸化合物で隙間を埋めて摩擦を高める
「ネジすべり止め液」

 「ネジすべり止め液」はネジへの摩擦を高め、普通のドライバーでもなめたネジを回せるようにしてくれるという、謎テクノロジーアイテム。

 「摩擦増強液」とあるので、粘性の高い物かなと思ったのですが、実際は意外とサラサラ。成分を確認してみると、「ケイ酸化合物」とありました。

増粘剤や黒色ペーストもありますが、主成分はケイ酸化合物

 ケイ酸化合物で有名なのは、SiO2、つまりガラスですね。また、工業用として有名なのは、ルビーをも上まわる硬度を持つ、炭化ケイ素でしょう。

 ケイ酸化合物は硬度が高いうえ、多くは力を加えても変形しにくいのが特徴です。ドライバーとネジ頭の隙間に挟まっても壊れず、逆に柔らかいネジ頭に食い込んでくれます。隙間を埋めて空回りを防ぎ、食い込みで摩擦を強化することで、なめたネジでも回せるようになる、というわけです。

ネジすべり止め液

液体を紙に吸わせたところ、微細な粒が出てきました。奥はサイズ比較用の爪楊枝

 使い方は簡単。なめてしまったネジに少し垂らし、あとはドライバーを押し付けながらネジを外すだけ。普段使っているドライバーがそのまま使えるため、プラス、マイナス、ヘクスローブ、六角穴付き、六角ボルトなどなど、どんなものにも使えます。

 ネジの種類・サイズごとに工具を用意する必要がなく、汎用的に使えるのがいいところです。

ネジすべり止め液

なめたネジに垂らすだけ。これで、回せるようになります

 ただし、摩擦を強化するだけなので、そもそも取っ掛かりのない潰れたネジは難しいでしょう。また、ネジのサイズに合っていないドライバーが使えるようになるわけでもないので、正しいサイズのドライバーを使う、というのは最低限のルールです。

 「ちょうどいいサイズのドライバーがなくて、ちょっと小さめのを使ったら空回りしてネジの頭をなめちゃった」みたいなときは、まず、正しいサイズのドライバーを用意しましょう。ネジすべり止め液を使うのは、それからです。

特殊工具としてではなく
普段から使える手軽さが◎

 ビスブレーカードライバーの先端は特殊な形状をしていますが、通常のプラスネジを回すのにこれといったデメリットはなく、普段使いもOK。また、ネジすべり止め液は、そもそも普通のドライバーと組み合わせて使うアイテムです。

 つまり、「普段使っているドライバーで、なめたネジも回せればいいのに……」という希望を叶えてくれるのが、この「ビスブレーカードライバー」と「ネジすべり止め液」ってコト。ちょっと失敗しても道具を変えずにリカバーできるのは、めんどくさがり屋さんとあわてんぼうさんには、かなりありがたいです。

 ただし、なめにくいビスブレーカードライバーでなめてしまった場合は、ネジへのダメージが大きい点には注意。頼れる工具なのは間違いないですが、頼りきって甘えた使い方をしないように注意したいところです。
 

●お気に入りポイント●

・普段使いのドライバーとしても使える

・普通のドライバーでなめたネジが回せる

・意外と安い!

■関連サイト

この記事を書いた人──宮里圭介

 PC系全般を扱うフリーランスライター。リムーバブルメディアの収集に凝っている。工作が好きだが、最近あまり時間が取れないのが悩み。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう

この連載の記事