Meteor Lake世代からのブランディングに変化アリ
インテル、次世代CPUに新ブランド「Core Ultra プロセッサー」を追加
次期クライアント向けCPUは「Core プロセッサー」になると発表
さらに「Core Ultra プロセッサー」も追加
2023年6月15日22時、インテルは同社のクライアント向けプロセッサー製品のブランド戦略を変更するという発表を行った。
同社がこれまで「第xx世代 インテル Coreプロセッサー」と呼んでいたブランドは、これまでは「Core i3/i5/i7/i9」の4つのティアー(Tier。この場合はCPUの“格”)があり、そこに一定の法則で付けられたモデルナンバーで上下関係や付加価値を表現していた。
例えばデスクトップ向け「Core i7-13700K」の場合、13700Kの「13」から第13世代Core、その中でも“i7”というティアーであることを示し、数字型番末尾3ケタの数値(700)で同ティアー内の上下関係を、最後の「K」で付加価値、この場合は“倍率アンロック”であることを示す。
しかし、Meteor Lake世代以降のCoreプロセッサーからは、以下のようなルールが適用される。
①Core i3/i5/i7/i9といったティアーは“i”のない、「Core 3/5/7/9」というティアー表記に
②Coreプロセッサーの名称の前に“第xx世代”のような世代名を前置する記法は廃止される
③数字型番の先頭(2ケタ?)が世代、続く数ケタが上下関係等を表す
今回最も重要なのは①のルールだ。なぜティアー表現から今まで親しまれてきた“i”を消したかといえば、インテルは今後、Coreプロセッサーの上に新たに「インテル Core Ultra プロセッサー」を新たに用意するからだ。
Ultraが意味するものが何であるかはまだ明らにされていないが、“最高峰のクライアント向けプロセッサー”のためのブランドであると説明している。これは単なる倍率アンロック(OCの可否)かもしれないし、通常ラインにはない強力なGPUやAI処理用のチップレットを組み合わせてくる可能性もある。
こういったブランディングの変更に伴い、バッヂデザインも変更となった。通常版のCoreプロセッサーは「Core 3/5/7」の3種類のみとなり、Core Ultraは「Core Ultra 5/7/9」となることが示唆されている。スペックがどう変わるかまではまだ判明していないが、ハイエンド志向であるなら、次世代Coreプロセッサーの狙い目は「Core Ultra 9プロセッサー」になるだろう。
その他のルールに関しては我々エンドユーザーへの影響はほぼない。“第xx世代”を抜くという②のルールに関しては単純にインテルが使う公式名称がシンプルになるだけで、筆者がCPUレビュー記事で書く場合、「第14世代であるCore 7プロセッサーxxxxが……」のような表記にならざるを得ないため、形だけのルール変更だ。
ルール③の型番部分に関しては命名法が明らかにされていないため何とも言えない。Meteor Lake以降はこれまでと同じ“Core 7-14700”的な表記になる可能性もあるが、次世代は数字部分が全体で4ケタになるのではといった予測もある。このあたりの正確な表記法や末尾にどういった文字が付くのか等は後日の製品発表を待つしかない。
愛は消えていない。超越した何かがやってくる
Meteor Lakeはインテル最新の「Intel 4」プロセス(実質7nm)で製造され、Intel 4は既存のIntel 7に対し20%のワットパフォーマンス向上が期待できるとインテルは発表している。そしてCoreプロセッサーもCore Ultraプロセッサーも、内蔵GPUはArcが使われる。果たしてどの程度の性能向上になるのか、今から登場が待ち遠しくてならない。
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