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COMPUTEX 2023で見つけたイカすパーツとヘンなもの

2023年06月09日 13時00分更新

機能性よりデザイン重視のPCケース最新作

 ピラミッド型ケースなど毎回奇抜な形の製品を出展するAZZA(アッツァ)。今年の新作はE-ATXケースの「Mesa 811」。PCケースは四角である必要はない、という同社の社風を地でいく形状に仕上がっている。これまで同社のPCケースはその形状ゆえ、収められるPCパーツのサイズに制限があった。そこであらゆるパーツを入れられるようにしたらこの形状になったとのこと。

底面以外の6面が強化ガラスで覆われたE-ATXケース「Mesa 811」。全長380mmまでのビデオカードと全高160mmまでのCPUクーラーに対応する

グラボの着せ替えパーツ

 Palitで展示していたおもしろいギミックが、ビデオカードカバーだ。クーラーとバックパネルを覆うカバーの3DデータをPalitのウェブサイトから自由にダウンロードできるようになっている。カバーを好きな色に塗ったり、さまざまな装飾を施せば、自分だけのビデオカードを作れるわけだ。買ったあともカバー作りで楽しめるのがうれしい。

左からCreator Versionのカバー、Painting Versionのカバー、Painting Versionの作例

こちらはCreator Versionの作例。カバーを外せば普通のビデオカードに戻せるのがありがたい

3300rpmの鬼回転ファン

 「MEGACOOL」は、PC用ファンで初の3相12極モーターを採用したSuper Flowerの120mmファン。 最大回転数は3300rpmで最大風量は151.87CFMと、ものすごい風量を発生させるが、その分騒音も48.39dBAとかなりの爆音。ファンの厚さも30mmと厚みがあり、使う人をかなり選ぶ。こういうエッジの効いた製品が展示されるのがCOMPUTEXの醍醐味でもある。

Super Flowerの高速回転ファン「MEGACOOL」。風量もスゴイが騒音もスゴイ!

量子ドット有機ELを採用する
32:9の超ワイドディスプレー

 アスペクト比32:9という、ワイドディスプレーを横に2枚並べたサイズの湾曲ディスプレーがMSIの「Project 491C QD-OLED」だ。49インチ、5120×1440ドットの量子ドット有機ELパネルはリフレッシュレート240Hz、応答速度0.03msと、ゲーミングディスプレーとしても使える性能。製品名にProjectとあるように、試作段階なので販売するかどうかは未定だという。

アスペクト比32:9の超ワイドディスプレー「Project 491C QD-OLED」。湾曲率は1800R。フライトシムやレースゲームで威力を発揮するだろう

自律走行型消毒ロボ

 COMPUTEXの会場を消毒して回っていたのが自律走行型ロボの「Healthy Guardian」だ。上部から薬剤を散布して大気を消毒。人間を感知すると自動で止まり、避けて移動していた。さすがに会場内が混雑してくると、人間に囲まれて身動きが取れなくなっていたが、それでもその場を消毒し続けてくれているので、むしろその場にいてくれたほうが精神的に安心できた。

MSIの自律走行型消毒ロボ。障害物を検知すると迂回して会場中を消毒して回る。これが何台も走行しているのを見かけた

超VIPが来場

蔡英文 総統が来場。台湾のトップが自らイベントを視察した

NVIDIA CEOのジェンスン・フアン氏もパートナー企業のブースを見て回った

COMPUTEX TAIPEI 2023取材を終えて

 4年ぶりのリアル開催ということで大いに盛り上がったCOMPUTEX TAIPEI 2023。今回の取材を通して感じたことが3つある。1つは「どこもかしこもファンの新製品が連結ファンだらけ」だったこと。ファンの固定やケーブル配線のことを考えるとこれは当然といえば当然なのだが、ケーブル付きファンは悪!とばかりに従来のファンがなかったことにされていたのが印象的だった。

連結ファンが急増。ケーブルが生えたファンはあまり見かけなかった

 2つめが「ピラーレスのPCケースが大流行」ということ。フロントパネルとサイドパネルの境目に柱がないPCケースがブームになっており、各社のデモ機での採用はもちろん、PCケースの新製品もピラーレスのものが多かった。筆者は木材を使用したPCケースが流行すると予想していたのだが、それはほとんど見かけなかった。

フロントとサイドパネルの境目に柱がないケースが今年のトレンド

 3つめが「SDGsへの取り組み」だ。梱包材の省略やCo2削減、リサイクル素材の使用など、環境問題を意識したものづくりをアピールする企業が増えた。

筐体にリサイクル素材を使用したり、簡易包装でゴミを減らしたりと、環境問題に積極的な企業が増えた

 コロナ前のオーバークロックやマイニングの過熱から一転、コロナ後はエコの方向に風向きが変わった。それを肌で感じられる展示物を今年は多く確認できた。環境に配慮、省電力といった製品は今後さらに増えていくだろう。COMPUTEX TAIPEI 2023は「PCは美しく、梱包は簡素に」そんな言葉がぴったりな内容だった。

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