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フリマアプリ利用者はトラブルに遭いやすい

高校生の40人に2人は消費者トラブル被害経験あり!

2023年05月16日 09時00分更新

「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験がある生徒の割合

1クラスに2人、消費者トラブル被害経験者がいる!?

 高校生の消費者トラブルはどんな傾向にあるのか。徳島県内の高校生と高校教員を対象とした、消費者庁の「徳島県内の高等学校等における生徒の消費者トラブルの実態と消費者教育の実施効果に関する調査報告書」(2023年5月)を見てみよう。

 「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験がある生徒(「一度だけあった」「二~三度あった」「何度もあった」の合計)は、全体の5.9%だが、複数回経験した生徒もいた。被害金額は不明だが、40人クラスで換算すると、1クラスに2人程度、経験者がいることになる。

 「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」経験がある生徒は、全体の3.2%だが、やはり複数回経験した生徒も。手口や被害金額は不明だが、1クラスに1人程度、経験者がいるということだ。少なくない割合の高校生が消費者トラブル被害に遭っている実態がよくわかるだろう。

「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」経験がある生徒の割合

フリマアプリ利用者は被害割合が高い

 同調査では、生徒が消費者被害に遭う要因として、デジタル取引の利用と関係があるかどうかも調べている。その結果、「注文したものが届かず、お金だけ取られた」「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」のどちらでも、かつ取引方法に限らず、利用頻度が高いほどトラブルの経験がある割合が高かった。

 「ゲーム、アプリ、スタンプなど有料でダウンロードする」の利用頻度が「全くない」生徒のうち、「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験がある割合は4.4%。トラブル経験者の割合は利用頻度が高いほど多くなり、利用頻度が「1週間に1回以上」の生徒では12.4%と、「全くない」生徒に比べ8.0ポイント高かった。

 「ネット通販で買う」「フリマアプリで買う」も同様に、利用頻度が高い生徒ほど「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験者の割合が高い。特に「フリマアプリで買う」と回答した者のうち、利用頻度が「1週間に1回以上」は全体の3%未満にもかかわらず、そのうち「注文したものが届かず、お金だけ取られた」経験者の割合は22.8%に上っている。

 「詐欺に遭い、だまされてお金を払った」経験がある生徒の割合についても、デジタル取引の種類と利用頻度別に集計した結果、やはり利用頻度が高いほど経験者の割合が多かった。

 「お小遣いじゃ足りないから、ポイ活とかフリマアプリとかは当たり前。みんな要らないものを売って、欲しいものを手に入れたりとかしている」と、ある高校生は言う。

 高校生でもネットでの消費・取引が普及している一方で、リテラシーが追いついておらず、消費者トラブルにつながっている可能性が高い。たとえばメルカリでは、クレジットカードがなくても出品・購入が可能であり、高校生なども多く利用している。前述のようにトラブルも多発している。保護者は、高校生のうちからリテラシー教育をする必要があることを知っておくべきだろう。

著者紹介:高橋暁子
 ITジャーナリスト、成蹊大学客員教授。書籍、雑誌、Webメディアなどの記事の執筆、監修、講演などを 手がける。SNSや情報リテラシー教育に詳しい。『ソーシャルメディア中毒』(幻冬舎)、『Twitter広告運用ガイド』(翔泳社)、『できるゼロからはじめるLINE超入門』(インプレス)など著作多数。テレビ、ラジオ、新聞、雑誌などメディア出演も多い。公式サイトはhttp://akiakatsuki.com/、Twitterアカウントは@akiakatsuki

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