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DXの追い風を受け、中核事業のLumadaを中心に安定成長を目指す、日立製作所 小島啓二社長

2023年05月08日 08時00分更新

Lumadaが日立の安定的な成長を支える

 日立製作所では、社会イノベーション事業を、「日立のIT、OT、プロダクトを活用して、顧客とともに社会課題を解決する事業」と定義している。

 「社会と産業を大きく変える3つの潮流であるデジタル、グリーン、コネクティブをドライバーとして、多様な業種において、社会イノベーション事業を拡大することを目指している。これにより、データとテクノロジーで顧客とともにサステナブルな社会を実現し、人々の幸せを支える」と語る。

 日立の安定的な成長を支えるのが、Lumada事業となる。3つのセクターを横断するLumada事業は、2022年度実績で、売上収益は前年比42%増の1兆9600億円、Adjusted EBITAは59%増の2700億円という高い成長を遂げた。

 小島社長兼CEOは、「Lumada事業は、DX市場の拡大を追い風に成長しており、日立全体の売上収益と利益の成長を牽引している」と、力強い成長に手応えを示す。

 そして、「社会イノベーション事業を推進するための顧客協創フレームワークがLumadaであり、大型買収で獲得した人材や、お客様フットプリントを生かして、日立の多様なケーパビリティを使ったOne Hitachiの取り組みを展開する。これによって、Lumada事業がさらに拡大することになる」と語る。

 2018年には650件だったLumadaユースケースの登録数は2022年度に1330件に増加。Lumadaソリューション登録数も71件から202件に増えている。

 また、2024中期経営計画の最終年度となる2024年度には、Lumada事業の売上収益は2兆6500億円、Adjusted EBITAでは4200億円を目指し、連結事業においては、売上収益の33%、Adjusted EBITA では44%を占める計画を打ち出している。名実ともに、Lumada事業が日立の成長の牽引役になることがわかる。

 日立製作所にとって大きな転換点と位置づける2024中期経営計画は、言い換えれば、Lumada事業を成長の柱に位置づけ、データとテクノロジーにより、サステナブルな社会を実現する、デジタルイノベーションを主軸とする企業への転換と言いかえることができる。

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