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エレコム、こだわり1合炊き炊飯器など「食のシーンの周辺機器」展開

2023年04月11日 12時00分更新

 マウスやキーボードなどPC周辺機器で知られるエレコムが4月11日、「おひとり様」をコンセプトとした炊飯器や、いわゆるエアフライヤーなどの調理家電を発表しました。エレコムらしくちょっと便利で、小回りの利く周辺機器的な製品です。

「食のシーン」の周辺機器

 まずはなぜ周辺機器のエレコムが調理家電なんだという話ですが、それは調理家電を「食のシーン」の周辺機器ととらえているから。

 そもそも周辺機器というものは技術革新が起きたとき生じるライフスタイルとのギャップを埋める役割があります。PCで言えばPCデスクに始まり、マウス、キーボード、PCバッグ。スマホが登場してからはスマホケースやガジェットポーチなどもありますね。

 そこで「食のシーン」に目を向けると、Uber Eatsや冷凍食品など技術革新による変化の真っ最中。ここにもギャップがあるに違いないということで、エレコムが昨年6月に立ち上げたのが調理家電ブランド「LiFERE(リフィーレ)」です。

 ターゲットは「おひとり様」。単なる単身者用のおしゃれ家電でなく、おいしく食べるシーンにこだわった、小回りの利く製品開発を目指しているということでした。

 ちなみに周辺機器として地味ながらエレコム製品としてのつながりもあり、たとえば昨年発売したIHホットプレート「ホットディッシュ」に使われているスイッチング電源は、同社製のACアダプターにも使用されているものだそうです。

1合炊き炊飯器

 新製品の中で、もっとも気合いが入っているのは、1合炊きにこだわった小型IH炊飯器です。ポットというかピッチャーのような形で、言われるまで炊飯器だとは思いませんでした。

小型IH炊飯器
発売日 2023年4月発売予定
想定実売価格 1万2800円

 現在3〜5合炊きの炊飯器市場はすさまじい競争状態ですが、同社では「ごはんを食べるという日常的な行為に対して、メーカーの思いが熱すぎるのではないか」という見立て。

 あえて市場として3%程度しかない少量炊きに焦点を当てた上、「炊飯器を置く場所がない」「そんなにたくさん食べきれない」「せっかく買うなら、少量炊きでもおいしく炊けるものがいい」という要望にこたえる形で1合炊き専用機を開発しました。

1合炊きへのこだわりを強調

 ビールジョッキサイズの本体に入っているのが、少量炊き用に独自設計した円筒状の釜(内鍋)。アルミとステンレスの複合素材で、フッ素樹脂と耐熱塗装を施した4層式の複合クラッド厚釜。手にするとずっしりとした手ごたえを感じます。

1合炊き専用の縦に深い内鍋。手にするとずっしり重い

 熱源はマイコンではなくIH。すばやく沸騰し、炊飯時の温度が安定することに加え、マイコン式と違って遮熱構造がいらないから小型化できるという利点からIHを採用したそうです。

 ザル釜を使って炊きあがり時のでんぷん量を約20%減らす糖質カット機能も備えます。炊飯モードは炊飯、早炊き、低糖質の3種類で、保温も可能。炊飯時間の目安は約50分。早炊きなら約35分です。操作ボタンはハンドル部分についています。

操作ボタンはハンドル部分。炊飯モードは3種類で、話題の「低糖質」モードも

 実際の食味は若い人を意識したというしゃっきり硬めの炊きあがり。粒立ちが良く、カレーやおにぎりに合いそうです。

若者を意識したというしゃっきり硬めの炊きあがり

 1人用のごはんをおいしく炊けることが最大のメリットですが、エレコムではぜいたくな炊き込みごはんを1合だけ作れることもメリットとして挙げていました。

 その1つがカニ缶1個を使ったカニめし。カニ缶ってもらうとうれしいけど、いざ使おうとするとなかなか使い道が思いつかないですよね、それじゃ1合炊きの炊き込みごはんにしたらいいのでは、という提案でした。なんでしょうかこの説得力は。

かに缶1個を丸ごと使ったかにめしも1合炊きなら奮発できる

ポット型コンベクションオーブン

 2つ目は揚げもののリベイクなどに使われる、いわゆるエアフライヤーの新型です。

ポット型コンベクションオーブン
発売日 2023年4月発売予定
想定実売価格 1万3800円

 エアフライヤーはノンフライヤーとも言われ、油を使わずに揚げものを加熱できる製品。180度程度の熱風を庫内に循環させることで、食材から油がしみでて加熱されるという仕組みで、レンチン感覚で冷凍食品を調理できるのが便利です。よぶんな油分も落ちてヘルシー。

 ただエアフライヤーはサイズがでかいものが多く、金属製のポットは油分が焼きついてお手入れが面倒だという難点もありました。結果的にコンベクションオーブン機能付きのオーブントースターに市場を奪われているところもあります。

 そこでエレコムが作ったのはガラス製ポットを使った小型タイプ。設置面積はA4サイズ未満で、庫内は唐揚げ6個くらいが入るサイズ。ガラス製ポットは油汚れも落としやすく、調理しているところが外から見えます。網は食材がこびりつきにくいテフロン加工。

ポットは唐揚げが6個入るくらいの小型サイズ

ガラス製なので調理中の様子が外から見える

 加熱が早いカーボンヒーターを使っているので予熱がいらず、あたためなおしであれば食材を入れて5分で終わります。温度設定は180度のみで、タイマーは最長60分。消費電力は650Wと低い省エネ仕様です。

調理温度は180度のみ。時間を調整して調理する

 試食した唐揚げはあくまでもノンフライ風味ではありますがジューシーで美味でした。1人分の揚げものは片づけも含めて面倒なので、これがサッとできるのは便利です。油も落ちているので背徳感も薄く、安心してがっつけそうです。

ノンフライ唐揚げ。いわゆる肉汁がしみ出ている

 惜しいのはポットと金網が食洗機対応ではないこと。最近人気の単身者向けミニ食洗機が使えたらなおよかったんですが。

「小鍋」ができるIH卓上調理鍋

 最後が昨年出したIH卓上調理なべ、ホットディッシュのココット鍋バージョン。IHクッキングヒーターに専用の小鍋を乗っけたものです。

IH卓上調理なべ HOT DISH cocotte
発売日 2023年4月発売予定
想定実売価格 1万6800円

 おでんができるほどの深さがありながら、人気の「小鍋」が作りやすい、深さ50mm、容量800mLの小型サイズ。お鍋で言えば1〜2人用で、豆腐1丁が丸ごと入ります。

いわゆる「小鍋」をするのにちょうどいいサイズ

 熱源がIHなのでヒーターに比べて加熱が早く、安定しているのも特徴。3段階+保温で火加減が調節できて、弱火にすれば湯葉もできます。

火加減は低・中・高の3段階+保温(WARM)

LOWモードで豆乳をあたためれば湯葉ができる

ホットディッシュで作った湯葉

 深鍋を樹脂のリングですっぽり包む形になっているのでやけどの心配もなく、IH調理部にぴったりくっつくのでズレてしまうこともなし。くびれ部分がふたより高い形になっているので吹きこぼれにくいという工夫もあります。

鍋を載せるだけだと滑ってしまう

キュッとしたくびれが吹きこぼれを防ぐ

 試食した常夜ぎょうざ鍋はぎょうざがぐだぐだにならずつるんとしていて美味でした。エレコムでは在宅業務中の昼ごはんに小鍋をする、カレーをあっためながら食べる、パーティーでチーズフォンデュをするといった用途を提案しています。

ぎょうざ鍋。ぐずぐずにならず、つるんとしていた

健康を気にする30〜40代の単身男性に勧めたい

 エレコムが新たに挑んだ調理家電シリーズ。誰向けなのかと言えば、在宅業務をしていて「そろそろちょっとは自炊しなきゃ健康的にも経済的にもまずい」と思っている30〜40代の単身男性、要するにアスキーの編集者たちではないかと感じました。

 1合炊き炊飯器は昼と夜のぶんを炊いてちょうどいいくらいのサイズ。ホットディッシュは手っ取り早く野菜をとれる小鍋がやりやすく、ポット型コンベクションオーブンは酒のつまみになる1人分の揚げもの(ノンフライ)がサクッと作れます。

 エレコムはおひとり様といっても単身者向けということではなく「自分だけの時間を過ごすとき誰もが人はおひとり様になる」というコンセプトを提案していましたが、実際のターゲットを考えるとド直球で単身者向けではないかと感じます。

 3機種ともに機能を絞り込んだ上、小回りを効かせたエレコムらしさのある調理家電。それほど高くもないので、気になるものがあったら試してみてはどうでしょう。

 

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