JN-IPS438DFHDR400-C65Wを使ったメディアアート
アウラって何ぞ?3840×1080ドットのスーパーウルトラワイド液晶5台で示す奇妙な実在感
IPSパネル&リフレッシュレート120Hzもポイント
――ほかにJN-IPS438DFHDR400-C65Wを選んだ理由はございますか?
大原さん:鑑賞者が動き回って様々な角度から見る作品ということで、IPSパネルであることも理由の1つですね。あと、没入感やリアリティーが作品の肝になりますので、120Hzのリフレッシュレートに対応している点も選択する上でとても重要でした。
――たしかに、IPSだと視野角が広いから色変化が感じづらいですもんね。リフレッシュレートの高さはゲーミング市場では相当重要視されていますが、こういった需要でもポイントになるのはおもしろいですね。
大原さん:今回の作品の場合、ディスプレーは5台すべて異なる向きで固定しているので、本来はバラバラに見えます。でも、3DCGの僕の視線と鑑賞者の視点が合う時のみ、正対したイメージが成立するというアナモルフォーシスになります。その3DCGができる限りリアルに見せたかったので、HPCやボリュメトリック撮影という技法を採用しました。
――なるほど。今回の作品の根幹技術とも言える「Head-Coupled Perspective」(HPC)ですが、こちらは大原さんがご自身で作ったものなんでしょうか?
大原さん:HPCはNeuroRehabLabgaが提供しているKAVEというアセットを参考にして、作品のコンセプトに合わせてUnityで独自開発しています。
――すごいですね!さすがプログラマーでもある大原さんらしいというか。ちなみに、PCはCore i7-13700F&GeForce RTX 3060 Ti×2とのことですが、今回のソフトだとCPUというよりはGPUのほうが負荷が高いのでしょうか?
大原さん:すいません。あまりそのあたりはきちんと使用率とかは見ていないのですが、グラボを2枚使っているのは単純にディスプレー5台に出すためですね。もちろん、それなりに描画負荷は高いので、リソースはあればあるだけありがたいところですが。
――ボリュメトリック撮影って、こちらも聞きなれない技法ですが、調べてみると全方位動画撮影ということで、ソースとしては負荷が重そうなイメージです。
大原さん:ですね。そして、全方位グリーンバックのスタジオで撮影しなければいけないので、レンタル代やデータ生成にかかる費用がすごく高くて……。こちらも株式会社クレッセントさんにご協力いただきなんとか撮影することができました。ありがたいことです。本当に。
――それだけ大原さんの作品にみなさん魅力を感じたのでしょう。そんな大原さんの作品「Gazes」ですが、こちらは展示会で展示されるんですよね?
大原さん:はい。3月23日から「art space kimura ASK?」で展示会を開催いたしますので、そこで展示いたします。観覧無料ですので、ぜひご興味があればいらっしゃってください。
――絶対見に行きます!本日はありがとうございました!
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