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iPhone 14は「内部設計」も大きく変更! アップル本社担当者に聞いた進化のポイント

2023年02月08日 23時00分更新

欧米から先行する形でアップルデバイスの「Self Service Repair」サービスがスタートしている

「修理がしやすくなる」ことのメリットとは

 iPhone 14シリーズの新しい内部設計により、端末の修理に携わるエキスパートの負担も軽減される。Dinh氏は修理が必要なコンポーネントに余計な負担なくたどり着けるようになることで、偶発的に発生することのあるパーツの破損やダメージを減らすこともできるのではないかと期待を寄せる。修理の工数が短縮されればユーザーの手元にiPhoneが速やかに戻ってくるだろうし、そのほかのメリットが生まれることもあり得る。

 2022年の春から、北米ではiPhoneとAppleシリコンを採用するMac、およびApple Displayの「Self Service Repair」が開始された。従来はApple Storeや正規サービスプロバイダへの持ち込みによる対応に限定されていたデバイスの修理が「自分でできる」ようになったのだ。修理のために必要な純正部品や専用工具、マニュアルなどはApple Self Service Repair Storeから供給される。同年12月にはイギリス、ベルギー、フランス、ドイツ、イタリア、ポーランド、スペイン、スウェーデンをはじめとする欧州各国にもサービスの提供地域が拡大した。

 ただ、実際には電子機器の修理経験が必要であることから、Self Service Repairは「誰でも気軽に利用できるサービス」ではない。正規サービスプロバイダ以外の修理事業者にもビジネスの機会が広がるところに意義がある。iPhoneの内部設計が変わり、修理しやすくなればSelf Service Repairのサービス網拡大にも弾みが付く。日本の場合は先に関連する法整備が必要になることから、同じサービスがすぐに上陸することはなさそうだが、今後の動向には注目したい。

 Dinh氏は「iPhoneの“修理しやすさ”は今後も引き続き高めていきたい」と意気込みを語った。今後スマホを選ぶ際には内部設計のコンセプトや完成度にも注目する必要がありそうだ。

 

筆者紹介――山本 敦
 オーディオ・ビジュアル専門誌のWeb編集・記者職を経てフリーに。取材対象はITからオーディオ・ビジュアルまで、スマート・エレクトロニクスに精通する。ヘッドホン、イヤホンは毎年300機を超える新製品を体験する。国内外のスタートアップによる製品、サービスの取材、インタビューなども数多く手がける。

 

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