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iPhone 14は「内部設計」も大きく変更! アップル本社担当者に聞いた進化のポイント

2023年02月08日 23時00分更新

本体はiPhone 13。左側はシャーシから取り外したディスプレイモジュール

メインシャーシの構造・素材を大きく変えた

 「iPhone 5以降、iPhone本体のシャーシ(筐体)には継ぎ目のない『Bucket Style Design』(=バケツ構造 バスタブ構造と表現した方がイメージしやすいだろうか)を採用してきました。さらにiPhone 8以降からワイヤレス充電が導入されたことで、背面にガラスパネルを追加しています。背面ガラスはアルミニウムのシャーシに固定されています」(Dinh氏)

 iPhone 8シリーズ以来、2021年発売のiPhone 13にも踏襲されてきたという内部設計を写真で確認してみよう。

 左側は筐体から取り外したディスプレイモジュールだ。右にあるバケツ構造のシャーシ側にはメインロジックボードからデュアルカメラシステム、バッテリーパックなど主要なコンポーネント一式が組み込まれている。

上と同じiPhone 13の、ディスプレイ側とシャーシ側を裏返した写真。iPhone 13はバケツ構造のシャーシを採用しているため、ディスプレイモジュールを取り外して開かないと中のコンポーネントにアクセスができない

 「これらのコンポーネントはすべてディスプレイ側から組み付ける必要があるため、内部のコンポーネントを修理する際には、いったんディスプレイモジュールを取り外す必要があります。背面に近く配置されているコンポーネントも含むすべてです」(Dinh氏)

 ではiPhone 14シリーズの内部設計はどのように変わったのか。Dinh氏はさらに説明を続ける。

 「iPhone 14シリーズではシャーシの耐久性能を維持しながら、アルミニウム製のメインシャーシから背面ガラスモジュールを完全に分離しています」(Dinh氏)

 Dinh氏が「Central Structural Frame」と呼ぶ、iPhone 14のための新しいメインシャーシには、軽く剛性にも優れる7000系アルミニウム合金の押し出し材が使われている。放熱性能も高い素材を採用することで、ワークロードの高い処理を実行した際にも効率よく熱を逃がしパフォーマンスの低下を回避できるという。

iPhone 14はディスプレイモジュールだけでなく、背面のガラスパネル側のモジュールを取り外せる設計に変更。間のCentral Structural Frameにメインコンポーネントを配置している

 内部設計についてはiPhoneとして初めて4面積層メインロジックボードを採用したことで、iPhone 14シリーズでは基幹コンポーネントを限りある内部スペースの中により効率よく格納できたという。

Central Structural Frameは背面メインカメラ側のイメージ。左がディスプレイ側、右が背面ガラスパネル側の内部機構。背面側からも多くの内部コンポーネントにアクセスができる

 そしてバックパネルのモジュールを分離構造としたことで、前面と背面の両側からメイン基板にアクセスできるようになり、Reparabilityが格段に高くなる。Central Structural Frameの側についてもまた、前面・背面から主要なコンポーネントとコネクタにアクセスできるデザインとしている。

Central Structural Frameのディスプレイ側。TrueDepthカメラモジュールやディスプレイのコネクタなどにアクセスができる

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