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“Ecoモード”でRyzen 5 7600Xをお手軽省電力CPUとして使うなら メモリーはコスパ重視で問題なし!

2023年01月12日 11時00分更新

 インテルとAMDのCPU性能競争は今も激しく、抜きつ抜かれつの接戦が繰り広げられている。長い間、シングルスレッド性能の高さで性能を押し上げるインテル、マルチコア化で総合性能を上積みするAMD、といった印象があったのだが、最近はだいぶ変わってきた。

 インテルは第12世代Coreプロセッサーから、高性能なPコアと電力効率の高いEコア、2つのコアを混載するという手法を採用。シングルスレッド性能の高さに加え、マルチスレッド性能、さらに電力効率の高さの面でも強力なCPUへと進化した。

 そして第13世代Coreプロセッサーでは、ベースクロックを落としたぶんをコア数の増強で補い、マルチスレッド性能を底上げ。また、ブーストクロックを上げることで、シングルスレッド性能も高めている。

 もちろんAMDも黙って見ているわけではなく、Ryzen 7000シリーズでは、コアの実行効率を高めたZen 4アーキテクチャーを採用。さらに新しいSocket AM5のになったことでCPUへの供給電力を高くし、高クロック動作を可能とすることで、シングル/マルチどちらの性能も大きく伸ばすことに成功しているのだ。さらに、インテルから遅れていたDDR5メモリーへの移行も果たしている。

 それぞれ手法は違うとはいえ、インテル、AMDともに新世代での性能向上が目覚ましい。

 しかし、CPUの性能が高くなればそれだけ消費電力が増え、発熱も大きくなる。発熱が大きくなればそのぶん冷却性能の高いCPUクーラーが必要となり、ファンが高回転になりがち。結果、騒音が激増してしまうのだ。高性能CPUは欲しいが静音性も重視したい、という人からすれば、素直に喜べない状況となっている。

 とくにRyzen 7000シリーズは、TDPがかなり高い。従来のRyzen 5000シリーズと比べてみると、Ryzen 9 5950Xでは105WとなっていたTDPが、Ryzen 9 7950Xでは170W。Ryzen 5 5600Xの65Wも、Ryzen 5 7600Xでは105Wとかなり高くなっている。

表はライター加藤勝明氏の記事から抜粋

 そのため、静音性や省電力性に魅力を感じているのであれば、先日のCESで発表が予定されて1月13日に発売される65W版の無印Ryzen 7000シリーズを購入するのもアリだ。しかし、65W版のRyzenは特にベースクロックが大幅にダウンしているので、一部の作業ではやや性能に影響が出ている。

 そこで提案したいのが、既存のRyzen 7000シリーズをデチューンして使用すること。UEFIのオーバークロック設定を細かく調整し、電圧や動作クロックなどをあえて下げ、発熱や消費電力を抑えて使う方法だ。性能とのバランス調整が自由にできるため、腕に覚えがあるならこの方法が確実だし、なにより効果が高い。

 とはいえ、この方法は多くの知識が必要となるため、初心者が手軽にできる方法ではないのも事実。では、初心者は諦めるしかないのかといえば、そうではない。もっと簡単な方法があるのだ。それが、公式オーバークロックツールの「Ryzen Master」を使い、「Eco Mode」を活用する方法だ。

Ryzenシリーズの動作設定を細かくカスタマイズ可能なオーバークロックツールが、「Ryzen Master」

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