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Lepton WS3900WRX80Aをレビュー

Ryzen Threadripper PRO 5975WXの性能を引き出す100万円超えPC

2022年10月30日 11時00分更新

CPUは8月に単体販売が解禁した
Ryzen Threadripper PRO 5975WX

Ryzen Threadripper PRO 5000 WXシリーズは2022年3月に発表したが、当初はメーカー製ワークステーションに向けたOEM出荷のみのだった。しかし、2022年8月に単体販売が解禁され、自作PC市場でも話題になった

 Lepton WS3900WRX80AはCPU性能に全振りしたといっても過言ではないPCで、標準で32コア/64スレッドの「Ryzen Threadripper PRO 5975WX」を搭載する。同CPUは8月に単体販売が解禁した、Ryzen Threadripper PRO 5000 WXシリーズの上位モデルだ。また、メモリースロットは8本もあり、BTOでは最大256GB(32GB×8)まで選べるという点も強みだ。

 そのかわり……というわけではないが、ビデオカードはGeForce GT 730搭載モデルと必要最低限。もちろん、BTOに対応しているので、最新のコーデックに対応したハードウェア支援機能も使いたいというのであれば、別のビデオカードを選んでもいいだろう。

試用機のビデオカードはファンレス仕様のGeForce GT 730搭載モデルだった

 そして、ウルトラハイエンド構成だけに、お値段は驚異の94万8830円~。今回編集部にやってきた試用機は100万円を超える構成で、担当編集者は撮影時に手が震えたという……。なかなかこれだけ高価なPCをレビューする機会は珍しいので、購入を検討している人はもちろん、そうでない人にもじっくりとご覧いただきたい。

高速CPUの性能をフルに引き出すレイアウト

 Ryzen Threadripper用のマザーボードは大型のものが多い。Lepton WS3900WRX80Aの「WRX80 Creator」も例外ではない。E-ATXというATXをさらに大きくした規格を採用しており、8本のメモリースロットに加え、7本のPCI Expressスロットを装備。ワークステーションやサーバー用途で活躍できる製品だ。

 このマザーボードを内蔵するため、PCケースはFractal Designの大型モデル「Torrent Black Solid」を使用している。フロント部は全面メッシュ、背面は多くのパンチ穴があり、エアフローを重視したデザインが特徴だ。

 内部もエアフローをジャマする部品が可能な限り排除されており、非常にシンプル。写真だけを見ると、マザーボードのフィット具合から小型PCなのかと一瞬錯覚してしまうが、奥行き544mm、高さ530mmというかなり巨大なPCケースだ。

内部は驚くほどすっきりしている

 ケーブルはきれいに裏配線しているため、内部は驚くほどすっきりしている。最も目立つケーブルは簡易水冷クーラーのチューブだが、それも可能な限りマザーボードを隠さないように最短コースでレイアウトしている。

 こうなると、筆者は「余分なケーブルは裏面に無理やり押し込められているのかな」と意地悪な考えをしてしまう。しかし、裏面を見てみると、徹底した効率的なレイアウトで舌を巻くほど整頓されていた。

ケーブル類は要所要所で固定され、きれいに束ねられていた

 上記写真の中央、CPUの背面あたりにぶら下がっているケーブルがやや気になったが、これはビデオカード用の補助電源端子だった。将来、ビデオカードをより高性能なものに換装する場合でも、配線しやすいようここに配置されているようだ。この将来の拡張まで考えられた配線は、長年BTOパソコンを手掛けている同社らしい心配りと言えるだろう。

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