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ソニーとホンダの新会社設立、まったく新しい形の会社を目指す

2022年10月24日 09時00分更新

車というハードウェアを持たない顧客とも、多くのつながりを

 3つめのAffinityには、「人との協調、社会との共生」という狙いを込めた。

 顧客との接点を強化するだけでなく、自動車業界の内外の新たなパートナーや、モビリティ空間における新たなエンターテイメントを創出するクリエイター、専門性を持つ数多くのパートナーとの共創を進め、オープンで、自由な共創環境を作っていくという。

 「これまでの顧客との接点は、クルマを販売し、アフターサービスでつながるという仕組みだった。ソニー・ホンダモビリティが実現するモビリティは、クルマやサービスを届けて終わりではない。車というハードウェアを持たない顧客とも、多くのつながりを持ち、ブランドに共感してもらえる仲間が集うコミュニティづくりを目指す」とする。

 商品開発プロセスにもカスタマーやクリエイターに参加してもらい、商品の販売後も、行動特性や嗜好を理解し、それぞれのカスタマーに最適化した顧客体験を提供するという。

 また、従来の自動車OEMを頂点として、数多くのパートナーに支えられた自動車産業の構造での経験に、水平分業が浸透しているIT業界の産業構造での経験を組み合わせることで、クルマを支えるステークホルダーとの関係も見直す必要が出てくるとの見方も示す。それにあわせて、パートナーとの新たな関係構築を目指すという。

 「サプライヤーに対しては、ソニー・ホンダモビリティが目指すビジョンを共有し、オープンで対等な新しいパートナーシップを築きたい」とする。

クルマからモビリティへ

 ソニー・ホンダモビリティは、EV時代や自動運転時代の新たなクルマづくりを目指すだけでなく、そこから生まれる新たなサービスの創出、新たなパートナーとの関係づくりを目指すことになる。

 同社が「クルマ」という表現をあまり用いず、「モビリティ」という表現を前面に打ち出し、この言葉を多用している理由も、従来のクルマを超えた新たな世界を作るという意図がある。

 「モビリティ業界は、デジタル技術とソフトウェアを震源地として、大きな変革期を迎えている。既存の自動車産業の手法とはまったく異なるアプローチを取る必要がある」と水野会長兼CEOは語る。

ソニー・ホンダモビリティのパーパス(存在意義)は、「多様な知で革新を追求し、人を動かす」であり、「知を繋げ、最先端のテクノロジーへの挑戦を行い、人の感性や行動へ働きかけ、人を動かすモビリティの革新を実現していく」とする。

どんなモビリティが、2025年に登場するのか。Mobility Tech Companyをいう新しい企業の姿の実現とともに注目したい。

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