「GeForce RTX 3060相当」は本当なのか!?
Arc A770M搭載NUCは容積約2.5Lの小型サイズでミドルクラスゲーミングPC並みの性能だった
ネジを6ヵ所外せば内部にアクセス
いよいよここからは内部を見ていこう。
CPUのCore i7-12700HはノートPC向けとはなるものの、Pコア6基+Eコア8基で合計14コア/20スレッドと、これまでのNUCと比べると極めてコア数の多い構成だ。ブースト時の動作クロックは最大4.7GHzに達する。
プロセッサーのベースパワーは45W、最大ターボパワーは115WとノートPC向けとしてはいずれも高めで、現行ハイエンドゲーミングノートPCでも多く採用されている優秀なSKUと言える。
そして、NUC12SNKi72の目玉とも言えるdGPU、Arc A770MはノートPC向けインテルArcの最上位モデル。独自のマイクロアーキテクチャー「Xe-HPG」を採用し、32基のXe-core、512基のXeベクトルエンジン(XVE)、32基のレイ・トレーシングユニットを備える。
この核となるユニットの構成はデスクトップPC向けの上位モデル「Arc A770」と変わらないように見えるが、動作クロックやビデオメモリーまわりの仕様がノートPC向けにカスタムしている。
例えば、Arc A770Mの動作クロックは1650MHzであるのに対し、Arc A770は2100MHz。ビデオメモリーはGDDR6 16GBを採用する点やバス幅こそ256bitと共通だが、Arc A770Mはメモリー速度が16Gbps、メモリー帯域幅が512GB/sで、Arc A770はメモリー速度が17.5Gbps、メモリー帯域幅が560GB/sとなっている。
一方で、TGP(GPUの消費電力)は120~150WとノートPC向けとしては高めだが、デスクトップPC向けのArc A770は225W(こちらはボード全体の消費電力を示す「TBP」ではあるものの……)よりも大幅に抑えている。
なお、dGPUを搭載しているが、CPU内蔵GPUである「インテルIris Xeグラフィックス」が利用できないわけではない。どちらが作業したほうが都合が良いか自動で判断して、処理効率や電力効率を最適化した運用が可能だ。また、対応アプリ利用時に、Arc A770と協調してエンコードやストリーミングを高速化できる「インテルDeep Linkテクノロジー」にも対応している。
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