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【レビュー】第2世代AirPods Proは音質・使い勝手ともに「別物」に大幅進化(西田宗千佳)

「外音取り込み」+「適応型環境音除去」の効果は

 そして、さらに違うのが「外音取り込み」時の音だ。外音取り込みとは、音をマイクから取り込み、イヤホンをした状態でも周囲の音が聞こえるようにするもの。ほかのヘッドホン・イヤホンでも採用する機種が増えてきている。

 AirPods Proの——というか、アップルの「外音取り込み機能」の特徴は、音が単に聞こえるのではなく、非常に自然な形で聞こえる、という点にある。

 イヤホンをしていない時に聞こえる時の音がお手本だとすれば、第1世代の時からそれにかなり近い音になっていた。第2世代ではそれがさらに進化し、「もっと生の音に近い」と感じる。イヤホンをしていないようだ、というのは言い過ぎだが、本当にかなり近い。

さらに音楽を流しても、音楽側の音質にもほとんど影響していないように見えるのが素晴らしい。外音取り込み機能の価値を高めるのが「適応型環境音除去」だ。

 この機能は第2世代から搭載された機能で、外音の大きさを把握し、それが長時間聴き続けることで聴力に影響を与える値であった場合、外音をそれ以下に抑えるものだ。

 耳栓が「全ての音を小さくするもの」だとすれば、適応型環境音除去は「一定レベルを超えた音を小さくする」もの。どちらも耳を守るものであることは同じだが、方向性が異なると考えればいいだろう。

84dBのところで外音取り込み+適応型環境音除去を使うと78dBに

 この機能は具体的に言えば、80dBを超える大きな音量、特に85dBを超える場合に効果的に働く。実際、84dBの音が出ている工事現場の近くで試してみると、第2世代AirPods Proをつけて「外音取り込み」にした時には78dBに下がった。

40dBの静かな部屋ではほとんど変化しない

 一方、静かな40dBの仕事場の中では、外音取り込みにしても39dB。ほとんど誤差のレベルしか変わっていない。

 これは、大きな音の時だけ自然な形で安全な範囲に収める、という適応型環境音除去の考え方に基づくものだ。

ノイズキャンセルをオンにすると、静かな場所でも同じように騒音が消える

 同じように「ノイズキャンセルを効かせた場合」の値も計測可能なのだが、こちらでは、84dBが57dBに、40dBが20dBに減っている。

 なお、ここで使った「音量の減少」の計測は、WatchOS9の「ノイズ」を使うことで確認できる。Apple Watchと第2世代AirPods Proを組み合わせた時にのみ、「AirPodsによって軽減されるレベル」として表示される仕掛けだ。第1世代AirPods Proを含むほかのヘッドホン・イヤホンでは表示されないのでご注意を。

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