今回は、空気の圧縮や膨張に関わる実験をご紹介します。空気が圧縮したり膨張することをとおして、火を起こしたり雲を作ったりすることができるのです。雲を作る実験は、身近なペットボトルや炭酸キーパーなどを使ってできますので、どうしてそのようなことができるのか考えながら、ぜひ実験を繰り返してみてください。それでは今日も、レッツサイエンス!
■自己紹介
サイエンスエンターテイナーの五十嵐美樹(twitter:@igamiki0319)です。国内外問わず科学実験教室や特技のダンスを活かしたサイエンスショーを開催し、子ども達が科学の一端に触れるきっかけを創っています。
本連載では、商業施設などのオープンな場での科学実験教室やサイエンスショーで、子どもたちからの人気が高かった実験や工作や科学にまつわる情報をご紹介しています。
ペットボトルを使った雲を作る実験で用意するもの
・ポンプ付き炭酸キーパー
※今回は、SODA FRESHを使用しました。スーパーやネットなどでお求めいただけます。
・500ml炭酸飲料用ペットボトル
※容器が破裂するのを防ぐため、圧力に耐える炭酸飲料用のペットボトルを使用しました。
ペットボトルを使った雲を作る実験方法
炭酸飲料用ペットボトル500mlの蓋を取り外し、ペットボトルの内側が湿る程度の少量の水を入れます。
ポンプ付き炭酸キーパーを炭酸飲料用ペットボトル500mlの飲み口につけます。あとで空気を入れる時に空気が漏れたり、取れたりしないようにしっかりと取り付けてください。
炭酸キーパーのポンプの部分を押して、空気を入れていきます。ポンプがかたくなってきたら、加圧完了です。握力が必要なので、力が足りないときは保護者の方と協力しながらポンプを押してください。
炭酸キーパーのレバーを指で一気に押し上げて、開けます。ポンプの部分を持って開けたりすると破損につながりますので、必ずそれぞれの炭酸キーパーの説明書に書いてあるとおりに開けてください。
炭酸キーパーのレバーを一気に押し上げると、ポンッという音と共にペットボトルの中が白くなるのを確認することができました。雲を作ることができました。
雲のもとになっているのは、空気中の水蒸気です。地表付近の空気は、あたためられると上昇します。しかし、上空では気圧が低く、空気が膨張して温度が下がります。温度が下がると、空気中に含まれている水蒸気は水や氷の小さな結晶になります。これらが空気中の小さなちりなどの周りに集まって雲ができます。
今回は、まずペットボトルにたくさんの空気を入れて空気を圧縮し、ペットボトルの中の気圧を高くしました。キャップを一気に外すことで、圧縮されていたペットボトルの中の空気が膨張して気圧が低い状態となります。気圧が下がると温度が下がり、ペットボトル内の水蒸気が冷やされます。まさに地表から上空へ上がったときと同じような状況になり、雲ができたということです。
他にも違う温度の水や線香の煙、消毒用アルコールなどをペットボトルに入れて同じように実験し、雲の出来方に違いがあるのかなど試してみると面白いと思います。
それではここからは、同じように空気を圧縮するプロセスがある実験でも、雲ではなく火を起こす方法も簡単にご紹介します。
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