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日立が取り組むコネクテッド家電、カメラ機能付き冷蔵庫も

2022年09月05日 09時00分更新

上海ロックダウンが大きな影響を

 だが、大隅新社長体制がスタートした最初の四半期(2022年4~6月)は、厳しい船出となった。

 2022年3月下旬から5月末までの中国・上海のロックダウンの影響を大きく受けることになったからだ。

 日立GLSでは、中国・上海において、洗濯機を制御する基板を生産しているが、ロックダウンの影響によって、この生産が停止して、茨城県日立市で行っている洗濯機の組み立てが行えない状況に陥り、4月28日には、全自動洗濯機の新規受注停止を発表する事態となった。

 日立GLSの第1四半期業績は、売上収益が前年同期比26%減の819億円、Adjusted EBITAは90億円減の43億円と減収減益になり、期初目標からも下振れする結果となった。これを受けて、2022年度の日立GLSの業績見通しを下方修正。売上収益は期初計画に比べて200億円減の前年比6%減の3720億円、Adjusted EBITAは80億円減の前年比5%減の380億円とした。なお、前年割れの通期見通しには、海外家電事業のジョイントベンチャー化によるマイナス要因も含まれている。

 大隅社長は、「上海ロックダウンの影響があったが、2022年度の予算は達成したい」とし、とくに、洗濯機、冷蔵庫、掃除機の3分野に注力する考えを示した。

 「これらの3分野の商品は、収益性が高く、付加価値が高く、デジタルとの親和性が高い分野であり、そこに投資をしていく。継続的な生産能力の向上を進めるほか、自動化などにより生産効率の改善などにも取り組む」とした。

 日立GLSは、日立製作所のコネクティブインダストリーズセクターに属しており、同セクターの他の部門は、産業分野におけるロボティクスやAI、自動化といった分野で実績を持つ。これらのノウハウを活用するとともに、サプライチェーン全体の強化、販売予測技術の活用などにも取り組むという。

 その一方で、「上海ロックダウンの発生により、日立GLS社内で活発な議論を行うことができ、社長就任直後に、社員と距離を一気に縮めることができた。また、日立GLSが持つモノづくりの力や販売の力も理解でき、その潜在能力も短期間に理解できるチャンスになった」とし、「第1四半期決算は厳しい内容であったが、ここから巻き返しを図る」と強気の姿勢をみせる。

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