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ザッカーバーグCEOのアバターが笑われたのは事故だった

2022年09月01日 09時00分更新

グラフィックはあくまでもQuest 2向け

 その後、ザッカーバーグCEOは8月19日に新たなアバターと風景画像を投稿し、Horizon Worldsのアップデートを予告。詳細はConnectでシェアするとしました。

 今はおそらくスマホ版Horizon Worldsの開発をしていて、それに合わせて中の描画システムを大幅に変更する予定なのだと思います。ただ、このスクリーンショットは最終用にセットアップも終了しておらず、アバターも最終的な画像ではないのではないように見えます。それでも事態が大事(おおごと)になってしまったので、あわてて3Dモデルのデータを投稿したものと考えられます。

 この画像がそのまま実機で出るかも若干怪しいですが、少なくともアセットは作っているのでしょうから、それをとりあえず出したということかもしれません。

 繰り返しになりますが、Horizon WorldsはあくまでもQuest 2で動くものです。10月に発表をうわさされている「Quest Pro」もグラフィックが劇的に変化するわけではなく、Quest 2と同じチップセットのクロック数が上がった上位互換ではないかと予想されています。そもそもQuest 2だけで1500万人のユーザーを抱えているので、Quest ProとQuest 2でグラフィックに差をつけてしまうのは、今のタイミングでは損なんです。Quest Proの性能が向上した部分は、目玉であるAR機能のために使われるのではないかと思います。

 なので、今回もあくまでもQuest 2向けにシステムを作りなおしているものではないかと予想できます。メタはこれまで何度もアバターシステムを作りなおしていますしね。

 Horizon Worldsは最初アメリカとカナダで始まり、2022年6月にイギリスが追加され、先日フランスとスペインが追加されました。東京ゲームショウにメタが出展するので日本でも9月にサービスを開始するのではないかと予想しています。例のアバターを見た日本のユーザーがどんな反応をするのか気になるところです。

 

筆者紹介:新清士(しんきよし)

1970年生まれ。デジタルハリウッド大学院教授。慶應義塾大学商学部及び環境情報学部卒。ゲームジャーナリストとして活躍後、VRゲーム開発会社のよむネコ(現Thirdverse)を設立。VRマルチプレイ剣戟アクションゲーム「ソード・オブ・ガルガンチュア」の開発を主導。著書に8月に出た『メタバースビジネス覇権戦争』(NHK出版新書)がある。

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