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なぜフェイスブックはメタになったのか

2022年09月08日 09時00分更新

 東京ゲームショウ2022が来週9月15日から開催されますね。今年はメタも出展していて、自社のメタバース「Horizon Worlds」の日本展開を発表すると予想しています。というわけで今回と次回、なぜフェイスブックは社名を「メタ」に変えてメタバースに軸足を移そうとしているのかという話をしたいと思っています。

きっかけは「ファームビル」

 詳しくは新書『メタバースビジネス覇権戦争』に書いていますが、きっかけとなったのは2011年、農園ゲーム「ファームビル(FarmVille)」をめぐるアップルとの対立でしょう。ファームビルはウェブで動くいわゆるブラウザーゲームで、アップルはブラウザーゲームをアプリ化したものを認めませんでした。アップルが事実上アプリの内容を審査できないからというのが理由でした。

FarmVille

 フェイスブックにしてみればブラウザーでの成功をそのままアプリとして展開したかったわけですが、アップルが認めなかったおかげで伸びていたゲーム事業がそこで足踏みをすることになってしまいました。その前後からフェイスブックがスマホを作ってみたり、自社ハードを出そうとしてアップル/グーグルの経済圏から抜け出したいという切実な思いを持つようになったんです。

 フェイスブックはアップル/グーグルと違ってハードウェアをベースとしたプラットフォームがなかったため広告ビジネスに頼らざるを得ません。昨年アップルがプライバシーポリシー機能を強化したことによってターゲティング広告は1兆円近い影響を受けたとされています。ハードウェアをもたないフェイスブックは、いわゆるGAFAMの中で一番弱い立場にいたんですね。

 そうしてフェイスブックがハードウェアの路線を模索していたとき、2014年にオキュラスの売り込みがあったわけです。

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