山根博士のグロスマレビュー
大画面をたたんで持ち運べる「Galaxy Z Flip4」の進化点は地味ながらも完成度は高い
サムスン電子のGalaxy Z Flipシリーズはスマートフォンを縦半分に折りたたむことで、片手でもラクに持ち運べるコンパクトサイズに変形する端末だ。8月10日に発表され、グローバルではすでに販売中の「Galaxy Z Flip4」の実機を入手したのでレビューをお届けする。
大きい画面をコンパクトにして持ち運ぶ
Galaxy Z Flip4は閉じるとほぼ正方形の大きさとなり、スマートフォンとは思えぬ外観デザインも大きな特徴となっている。縦横サイズは84.9×71.9mm。たたんだときの上側にはカバーディスプレーとして1.9型(512×260ドット)の小型ディスプレーを内蔵。その横にはメインカメラとなる1200万画素カメラを2つ搭載する。全体の形状は前モデル「Galaxy Z Flip3 5G」と変わらないが、本体表面の仕上げはマットとなり、カジュアル感あるデザインではあるが落ち着きのある高級感も味わえる。
閉じたときにはヒンジ部分に若干のすき間がある。このため厚みは最薄部が15.9mm、最厚部が17.1mmとなる。厚みに関しては前モデルとまったく変わっていないが、ヒンジ部分の設計を変えたことでヒンジは薄くなり、そのぶん本体内部に余裕ができたことで、バッテリー容量を前モデルより400mAh大きくし3700mAhとしている。
本体を開くと6.7型(2640×1080ドット)のディスプレーが現れる。本体サイズは約165.2×71.9×6.9mmで前モデルとほぼ同等な一方、重量は187gで3gアップした。
側面から見るとしっかりとフラットに開いており、6.3mm厚の薄型スマートフォンとして本体をたたむことなく使い続けることも十分可能だ。横折式のGalaxy Z Fold4と異なり、縦折り式のGalaxy Z Flip4は「スマートフォンを、使わないときにたたむことができる」モデルであり、開いた状態では一般的なスマートフォンと使い勝手は変わらない。
Galaxy Watchと連携もできる
カバーディスプレー
閉じたときのカバーディスプレーには時計、カレンダー、通知、音楽再生時の曲名表示などができる。アナログ時計を表示したり、アニメーションを表示することも可能になった。サムスンのスマートウォッチ「Galaxy Watch」と壁紙を共通化する仕組みも用意されている。また通話を受けたり定型文の返信も可能だ。
電源ボタンを2回押すとカメラが起動するので、カバーディスプレーをプレビューウィンドーにして自撮りも簡単にできる。実際にポケットから本体を取り出し、開かずともカメラを使うことができるのはかなり便利と感じられた。
本体が薄いため、片手持ちでも十分楽に操作ができる。SoCには最新のSnapdragon 8+ Gen 1を搭載しており、動作に不満はないだろう。
また開いた状態のアスペクト比が22 : 9というワイドなディスプレーは、2つのアプリの同時表示も実用的だ。縦動画を見るときも余裕がある。たためることで「コンパクトサイズ」になることが特徴のGalaxy Z Flip4だが、実は開いたときに大きな画面を搭載している点も忘れてはならない。
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