さて最後に、本題のベンチマークを実施しよう。今回は、Core i7-1280P/メモリー32GB(LPDDR4X)/ストレージ512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載する新モデルと、Core i7-1195G7/メモリー16GB(LPDDR4X)/ストレージ512GB(PCIe Gen4 x4接続SSD)を搭載する前モデルのスコアを比較する。
まずCPU性能だが、新モデルは「CINEBENCH R23」で12875pts、「CINEBENCH R20」で4935pts、「CINEBENCH R15」で2026cbを記録した。前モデルが6675pts、2514pts、1091cbだったので、新モデルは約1.93倍、約1.96倍、約1.86倍のスコアを記録したことになる。2021年モデルからでも買い換えたくなるほどのパフォーマンス差だ。
なお、「CINEBENCH R23」のCPU(Multi Core)を連続4回実行した際のCPU温度とクロック周波数の推移をグラフにしてみた(室温24.6℃で測定)。クロック周波数が3回低くなっているが、これはベンチマークを再実行しているタイミング。ベンチマーク1回目はCPU温度がじりじりと上がっていったものの、クロック周波数が大きく低下することはなかった。
しかし2回目実行中の1分19秒に89度に達して、2529.8MHzから2276.9MHzに低下。さらに1分46秒時点にCPU温度が最大の94度になり、クロック周波数は緩やかに465MHzほど低下したのち、2分23秒以降は平均1774.27MHz前後で安定して推移していった。1分49秒以降は緩やかにCPU温度が低下していったが、それ以降クロック周波数が引き上げられることはなかった。
3Dグラフィックス性能については、「3DMark」のTime Spyで2021、Fire Strikeで5346、Wild Lifeで14699、ファイナルファンタジーXIV:暁月のフィナーレベンチマークで7830を記録した。
前モデルが2027、5294、14075、7852だったので、新モデルは約1.00倍、約1.01倍、約1.04倍、約1.00倍のスコアに留まったことになる。Core i7-1280PとCore i7-1195G7は「Intel Iris Xe Graphics」という同じ内蔵グラフィックスを搭載している。3Dグラフィック性能にはほぼ差がないわけだ。
ストレージ性能については、新モデルはシーケンシャルリード(SEQ1M Q8T1)で6782.73MB/s、シーケンシャルライト(SEQ1M Q8T1)で4875.55MB/sを記録した。旧モデルは6734.14MB/s、4414.88MB/sだったので、両者に体感できるほどの差はない。
バッテリー駆動時間については、ディスプレー輝度40%で「PCMark 10 Modern Office Battery Life」を実行したところ、7時間44分動作した。ちなみに旧モデルは同じ条件で9時間39分動作した。ピークパワーが大きく向上した代償にバッテリー駆動時間が短くなっている点は、致し方ないところではある。
直近の前モデルからでも買い換える価値があるニューマシン
VAIO SX14試用後の感想は、第12世代(Alder Lake)のPシリーズの性能恐るべしに尽きる。すべてのアプリケーションでベンチマークの結果がそのまま反映されるわけではない。しかし、CPU性能に依存するアプリケーションでは大きな恩恵を受けられる。第12世代(Alder Lake)のPシリーズを搭載した新VAIO SX14は、直近の前モデルからでも買い換える価値があるニューマシンなのである。
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