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国内製造業としては過去最大となる7873億円の赤字からの復活の先は? 日立

2022年05月23日 09時00分更新

今回のひとこと

「2024中期経営計画は、成長へのモードシフト。そして、成長戦略の中心はLumadaになる。デジタル、グリーン、イノベーションでグローバルに成長する企業を目指す」

(日立製作所の小島啓二社長兼CEO)

 日立製作所が、2024中期経営計画を発表した。

 経営指標は、2024年度に売上収益10兆円、Adjusted EBITA 率が12%(Adjusted EBITAは1兆2000億円)、ROICで10%を目指す。売上収益の年平均成長率は5~7%という高い成長を目指す内容だ。

7873億円の赤字からの改革、成長へのモードシフト

 日立製作所の小島啓二社長兼CEOは、「2024中期経営計画は、成長へのモードシフトである」と力強く宣言する。

 新たな主要KPIのひとつに掲げたAdjusted EBITは、調整後営業利益から変更して採用するもので、「調整後営業利益-買収に伴う無形資産等の償却費+持分法損益」で計算される。Adjusted EBITAおよびROICを用いることで、投資判断の規律を徹底するのが狙いだという。2024中期経営計画がスタートする2022年度の業績開示から用いることになる。

 日立製作所が、「成長へのモードシフト」を図る背景には、これまでの約10年間に渡る構造改革によって、経営体質が大きく改善してきた成果が見逃せない。

 日立製作所では、2008年度に、国内製造業としては過去最大となる7873億円の赤字を計上。それ以降、抜本的な改革に取り組んできた。

 2010年度から2012年度までの2012中期経営計画では、経営危機からの脱却に向けて、PL(損益計算書)の改善に向けたリカバリー施策を促進。日立が目指す方向を「社会イノベーション事業」とすることを初めて打ち出し、それに向けたポートフォリオの入れ替えを開始した。

 2013年度から2015年度までの2015中期経営計画では、事業の入れ替えをさらに加速。デジタルサービス事業へのシフトや、キャッシュフローの改善に取り組む姿勢を明確にし、成長のための基盤づくりを進めた。

 2016年度から2018年度の2018中期経営計画では、デジタル技術の活用を積極化。さらに、グローバル化やフロントおよびプラットフォームの強化を推進。ここから社会イノベーション事業を核にした成長戦略を実行しはじめた。

 そして、2018年度から2021年度までの2021中期経営計画では、Lumada事業のグローバル拡大や、OTおよびプロダクト事業のポートフォリオ強化などに取り組み、社会イノベーション事業でグローバルリーダーを目指す方針を明確に打ち出してみせた。ABB のパワーグリッド事業の買収や、GlobalLogicの買収といった大型投資も相次いだ。

 こうした4期に渡る中期経営計画を経て、コスト構造の見直しや収益力の強化、事業ポートフォリオ改革を断行し、安定した経営基盤を構築。2009年3月には22社だった国内上場子会社はゼロになり、このほど日立物流を米投資ファンドのKKRに売却することも発表。グループ会社数も943社から、873社に減少※している。

※編注:掲載時の数字は2021年10月時点のもの。2022年3月31日時点では853社とのことです。

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