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Sonos Roamの新色やVoice Control機能も発表

小型でこだわりの音質、Sonosの新入門サウンドバー「Sonos Ray」を聴く

2022年05月12日 09時00分更新

幅はおよそ55cm、コンパクトながら充実したサウンド

 編集部では発表に先立ち、Sonosの米国本社でオーディオエンジニアリング担当のシニアディレクターを務めるChris Davies氏を取材する機会を得た。同氏は現在、すべてのSonos製品が搭載するオーディオシステムのコンセプト立案、設計、詳細なエンジニアリング、最終的なサウンドチューニングの担当チームを率いている人物とのこと。プロ用機材で有名なQSCではラウドスピーカーの開発や初期ミキサー製品の立ち上げに貢献。2015年の入社後、オーディオシステムのエンジニアリングチームを率いていたこともあるそうだ。

 Davies氏は冒頭、Rayのコンセプトとして全世界で11億人以上の人が最低1つは契約しているとする映像ストリーミングサービスにフォーカスを当てテレビのサウンドをレベルアップしたいとした。Sonosのコンセプトとしては、映像や音楽コンテンツに含まれる音を独自に解釈して再生するのではなく、できるだけ多くの音響制作者と対話し、スタジオの再現は難しいまでもそのエッセンス、つまり制作者の意図をなるべく多く伝えていくことに注力しているのだという。

 新製品のRayではハリウッドスタジオとの協業がアピールされている。他のSonosスピーカーと同様、音楽界や映画界などの第一人者で構成されるSonos Soundboardがチューニングに参加しており、独自技術の「Trueplay」を使って再生環境に合った音に再調整する機能も搭載している。

65インチのテレビと組み合わせたところ。

 Sonosのサウンドバーとしては、これまでも「Sonos Beam」「Sonos Arc」といった製品があったが、その違いとしては主に組み合わせるテレビや再生する部屋のサイズがポイントになっているそうだ。Rayはこの中では幅559×奥行き95×高さ71mm、重量1.95kgと最も小型になる。聴取距離も2.5m程度と比較的近距離で最適なパフォーマンスが出る設計になっているという。Davies氏の説明では幅650mmクラスのBeamの場合は3m程度、Arcはより広い部屋で性能が引き出せる設計だそうだ。

Arc、Beam、Rayのサイズ比較。

背面。入力端子はシンプルだ。

 ユニット構成は中央に2つのミッドレンジウーファー、左右にツィーターを装備する構成となっており、最大5.1chの入力に対応している。BeamやArcとは異なり、すべてのユニットが前方に向けて配置されているのが特徴で、ラックの中に入れた設置でも音質を落とさずに使える。一方で、左右のツィーターから出た音は、ウェーブガイドで横方向に放射される仕組みになっており、壁面反射も活用して広がりを出す仕組みを取っている。ミッドレンジは中央に寄せられているので、ダウンミックス処理によって、一般的なステレオ再生(2.0ch)だけでなく、セリフを中央に割り当てた3.0ch再生も可能となっている。Sonos製品はワイヤレスでスピーカーを追加してシステムアップを図れるが、本機もサブウーファーの「Sonos Sub」やワイヤレススピーカーの「Sonos One」をリアスピーカーとして追加できる。

Sonos Oneは単体でも利用できるWi-Fiスピーカーだが、リアスピーカーにもなる。

サブウーファー

 なお、信号処理についてはドルビーアトモスに対応したSonos Beam(Gen2)では上方向も意識した処理にしていたが、Rayでは水平方向の広がりや動きを主軸に置いたものになっているという。部屋の大きさに合わせたラインアップという表現の背景には、このあたりも含まれていると思われる。また、Sonosスピーカー同士のマッチングについては非常に細かく調整しており、同じSonos Subとの組み合わせでもArc、Beam、Rayのそれぞれで異なるクロスオーバーを選ぶなど適切な信号処理が加えられた再生になる。

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