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東急アライアンスプラットフォーム2021 DemoDay

パンのサブスクから水泳教室のDXまで 東急×スタートアップ9社の事業共創を発表

(8)3rdcompass × 東急百貨店

株式会社3rdcompass 代表取締役 CEO 木村 幸太郎 氏
株式会社東急百貨店 事業戦略室 事業開発部 担当マネジャー 小林 洋介 氏

 株式会社3rdcompassは、バーチャルオンラインアンテナショップを手がけるD2C事業会社。コロナ禍における生産者が抱える自社サイトの業務や配送、販路拡大などの課題を解決できるとしている。

 アフターコロナでも客足が戻らないことに不安を覚える産地や店舗に対して、物産展のオンライン化で対応しようとする試みが地域物産展DXだ。産地にしかない情報を直接紹介することで売り上げにも貢献するとしている。一方で、オンラインでは解決できない実際の商品を手に取って品質や鮮度などを確かめることができない問題にも触れ、ポップアップ店舗として実際の店頭に動画配信で商品説明をしたり、動画コンテンツで細かな情報を伝え、購入を促進する。

 百貨店ならではの安心感に希少価値や楽しさなどのコンテンツを掛け合わせて、販路拡大や購入促進を見込む。地方の物産品とリアル店舗の架け橋となれればと締め括られた。

 審査員からは、別の企画で地方と繋ぎ、朝獲れたものを店舗まで届けるライブコマースなどの取り組みが紹介され、そういったことが可能か、そういった取り組みとの違いはなにかと質問があった。それに対して、多くのメンバー向けのライブコマースは商品も多く取り揃える必要があるが、こちらのモデルでは小規模、小ロットでも対応可能な点と、より詳細な作り込まれたコンテンツの提供が可能と回答があった。

 そのほか、様々な方法やアイディアがあるので、効果のある方法を東急グループと一緒に検討してゆきたいと締め括られた。

(9)ウゴトル × 東急スポーツシステム

株式会社ウゴトル 代表取締役社長 西川 玲 氏
株式会社東急スポーツシステム 東急スイミングスクールあざみ野 支配人 植木 康広 氏

 東急スポーツシステムは、コロナ禍においてスイミングスクール運営、指導に関して課題を感じ、ウゴトルとの協業を進めている。ウゴトルでは、従来のグループレッスンでは個別に動きを見てもらえないとか、指摘されたことがうまく理解できないなど課題があった一方で教える側も属人的で記憶だのみという課題があった。

 ウゴトルでは、従来のグループレッスンに動画撮影と個別の添削、指導を加えることで、個別の映像指導を実現するもの。指導前に課題を設定し、レッスン中の動画で課題が実行できているかどうかなどを動画の書き込みやコメントで添削してゆく。生徒はその添削結果を見ることで課題の達成度や指導の詳細を確認することができる。

 短期的には動画添削などによる指導価値の向上、中長期的には組織の共有知の形成や記憶に頼らないデータ指導など指導現場のDXにつながるとしている。

 2021年2月に行われた実証実験では、映像指導の価値や成長の見える化に効果が見られたが、撮影と編集の負担軽減がカギという課題も浮き彫りになった。2021年5月からは、実証実験をふまえたオンラインスイミングレッスンを提供。継続率95%と高い顧客満足度が得られる結果となった。

 DX成功のポイントとして、経営層と導入実行者、現場のコミットそれぞれのコミットが重要だという。

 今後の展開としては、提供価値の向上と現場の負担軽減を進め、他店舗、他スポーツ、ユーザー層へと広げてゆきたいと締め括られた。

 審査員からは、他のスポーツにも展開できる点などに評価が寄せられた。共創によって得られたものはあるかという質問に関しては、現場での継続性の観点で、スクールの流れを崩さないでテクノロジーを導入してゆくかというという気づきを得たと回答。

 東急スポーツシステムへは、このシステムが横展開された際どのように対策するか?という質問が寄せられた。そちらに対しては、他スポーツや他店舗への展開や子供向けだけでなく大人向け、ビギナーからアスリート向けまでやることが多くあるのでそちらの拡充にまず力を入れたいと回答。ウゴトルからもシステムだけでなくトレーニングカリキュラムなどスクールの内容そのものも重要な部分なのでそういった面でも差別化は可能としめされた。

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