第367回
ゲーム性能からクリエイティブ性能まで、インテル/AMD最上位CPUを比較
Core i9-12900KS最速レビュー!最大5.5GHzの第12世代Core最上位CPUはライバルを圧倒する?
2022年04月05日 22時00分更新
Ryzenの最上位モデルとも比較
今回の検証は、Core i9-12900KSとCore i9-12900Kの比較が主眼だが、ライバルであるRyzen 9との比較も試みる。第12世代Coreと第4世代Ryzenの比較は第12世代Core発売直後の速報レビューやゲーム&クリエイティブ系検証で行っているが、当時はWindows 10環境でテストを実施していたため、Intel Thread Director(ITD)のポテンシャルが活かされていない状況だった。今回はテスト項目は限定されるが、Windows 11環境で検証しなおす格好になる。原稿執筆時点のRyzen 9 5950Xの実売価格が8万6000円前後、Core i9-12900Kで7万6000円前後ということを念頭に置いて読み進めると良いだろう。
CPUのパワー周りはBIOS標準設定だが、メモリーは各々のプラットフォームでXMPを効かせることでCPUの定格設定に合わせたほか、Resizable BARやセキュアブートも有効化した。さらにWindows 11上でメモリー分離やWindows HD Color(HDR)も有効としている。GPUドライバーは検証時点で最新の512.15だ。
検証環境(インテル) | |
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CPU | インテル「Core i9-12900KS」 (16コア/24スレッド、最大5.5GHz)、 インテル「Core i9-12900K」 (16コア/24スレッド、最大5.2GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | ASRock「Z690 PG Velocita」 (Intel Z690、BIOS 7.03) |
メモリー | Kingston「FURY Beast DDR5 KF552C40BBK2-32」 (DDR5-4800動作、16GB×2) |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB、システム用)、 Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (NVMe M.2 SSD、2TB、ゲーム用) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (80PLUS PLATINUM、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
検証環境(AMD) | |
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CPU | AMD「Ryzen 9 5950X」 (16コア/32スレッド、最大4.9GHz)、 AMD「Ryzen 9 5900X」 (12コア/24スレッド、最大4.8GHz) |
CPUクーラー | ASUS「ROG RYUJIN 360」 (簡易水冷、360mmラジエーター) |
マザーボード | GIGABYTE「B550 Vision D」 (AMD B550、BIOS F15a) |
メモリー | G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」 (DDR4-3200、16GB×2) |
ストレージ | Corsair「CSSD-F1000GBMP600」 (NVMe M.2 SSD、1TB、システム用)、 Silicon Power「SP002TBP34A80M28」 (NVMe M.2 SSD、2TB、ゲーム用) |
ビデオカード | NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」 |
電源ユニット | Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」 (80PLUS PLATINUM、1000W) |
OS | Microsoft「Windows 11 Pro」 |
「CINEBENCH R23」では約5%差
では「CINEBENCH R23」のスコアー比べから始めよう。クロックが最大5.5GHzまで引き上げられたことで、マルチスレッド性能もシングルスレッド性能も上がることが期待できる。
まず、Core i9-12900Kに対するCore i9-12900KSの性能は、マルチスレッドで約4%、シングルスレッドでは約5%ほど伸びている。ブーストクロック300MHzとPBP 25W引き上げの効果は出ているようだ。
一方、Ryzen 9 5950Xに対しては、Core i9-12900Kのほうがマルチで約8%、シングルで約25%上。Core i9-12900KSになるとマルチで約12%、シングルで約31%と広がる。もともとCINEBENCH R23は第12世代Coreが強いが、Core i9-12900KSが出てきたことでライバルのフラッグシップCPUとの差が(特にシングルスレッド性能において)拡大した点は評価すべきだろう。
「V-Ray Benchmark」ではライバルに一歩及ばず
続いては、CINEBENCH R23と同じくCGレンダリングをベースにした「V-Ray Benchmark」だ。GPU(CUDAおよびRTX)を使ったテストもあるが、今回はCPUだけを使うテストを使用した。
CINEBENCH R23では精彩を欠いていたRyzen 9 5950Xだが、このテストではトップの成績を収めた。Core i9-12900KSはCore i9-12900Kに対してここでも約4%上回ることができたが、Ryzen 9 5950Xに対しては逆に約3%下の結果となった。
「Blender」でも16コアにわずかに及ばず
もう1つ、「Blender」を利用したベンチマークも試してみよう。「Blender-Open Data」で配布されているベンチマークツールを使い、デフォルトの3シーン(Monster/Junkshop/Classroom)におけるCPUの計算力を比較する。
ここでトップに立ったCPUは、純粋にスレッド数が多いRyezn 9 5950X。特にJunkshopでのスコアーは群を抜いて高い。それ以外のMonsterやClassroomではCore i9-12900KSがすぐ後ろに続いている(1%未満の差)。Core i9-12900KSとCore i9-12900Kを比べるとMonsterとClassroomは4~5%程度伸びたが、Junkshopの伸びは約3%にとどまる。
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