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Core i9-12900KS対9900KSは最大3倍向上の大幅進化!約2年半で最強ゲーミングCPUはどこまで変わった?

2022年05月28日 11時00分更新

文● 高橋佑司 編集● ASCII
提供: テックウインド株式会社

 2022年4月、第12世代インテルCoreプロセッサー(以下、第12世代Core)のフラッグシップモデル「Core i9-12900KS」が登場した。

 16コア/24スレッド、最大5.5GHzという高いスペックで、ゲームでも高パフォーマンスを発揮することもあって、これを機に新たなゲーミングPCを組んで、より快適にゲームを楽しみたいという人も多いはずだ。

以前に出た“KS”型番のCore i9-9900KS(左)と、最新のCore i9-12900KS(右)。Core i9-9900KSが登場したのが2019年10月なので、およそ2年半の間が開いている

 “KS”の型番は高クロックな「SPECIAL EDITION」を表し、第9世代の「Core i9-9900KS」以来2年半の期間を開けて登場した。「最上位のCore i9の中でも、さらに特別なモデル」となれば、所有欲が刺激される人もいるのではないだろうか。以前にCore i9-9900KSを使用してPCを組んだ人も、第12世代になってKS型番のモデルが復活したことで、関心を持ったことだろう。

 もちろん同じKS型番でも、世代が変わったことでそのパフォーマンスは大きく向上している。CPU性能だけでなく、第12世代Coreではメモリーも1世代進んだDDR5をサポートしていたり、ビデオカードなどを挿すマザーボードのPCI Expressスロットの世代も進んでいたりと、総合的な性能差は非常に大きい。

 以前、ASCIIではCore i9-9900KSのレビューを掲載したが、その際のCore i9-9900KSのパフォーマンスは、ゲーミングにおいて当時最強クラスのCPUと言っていい性能を発揮した。

 それから2世代の間登場しなかったKS型番モデルは、一体どれだけ性能がアップしているのだろうか。それぞれのCPUで比較してみよう。なお、検証環境は以下の通りだ。

検証環境
CPU インテル「Core i9-12900KS」
(16コア/24スレッド、最大5.5GHz)、
インテル「Core i9-9900KS」
(8コア/16スレッド、最大5GHz)
CPUクーラー ASUS「ROG RYUJIN 360」
(簡易水冷、360mmラジエーター)
マザーボード ASRock「Z690 PG Velocita」
(Intel Z690、BIOS 7.03)
ASUS「ROG MAXIMUS XI HERO (WI-FI)」
(Intel Z390、Version 12.19.1.37)
メモリー Kingston「FURY Beast DDR5 KF552C40BBK2-32」
(DDR5-4800動作、16GB×2)
G.Skill「Trident Z RGB F4-3200C16D-32GTZRX」
(DDR4-2666動作、16GB×2) 
ストレージ Corsair「CSSD-F1000GBMP600」
(NVMe M.2 SSD、1TB、システム用)、
Silicon Power「SP002TBP34A80M28」
(NVMe M.2 SSD、2TB、ゲーム用)
ビデオカード NVIDIA「GeForce RTX 3080 Founders Edition」
電源ユニット Super Flower「LEADEX PLATINUM SE 1000W-BK」
(80PLUS PLATINUM、1000W)
OS Microsoft「Windows 11 Pro」

マルチスレッドでは約3倍と驚異のスコアーに

 まずは「CINEBENCH R23」でスコアーを測ってみる。CGのレンダリングでCPUの性能を計るCINEBENCH R23だが、Core i9-12900KSはCore i9-9900KSに比べ、全コアを使用したマルチスレッドテストで3倍近い圧倒的な差をつけた。24スレッドのCore i9-12900KSと16スレッドのCore i9-9900KSというスレッド数の差もあるが、シングルスレッドのスコアーが飛躍的に上昇しているのも大きいだろう。

3DMark Fire Strikeの各テストごとのスコアー。CPU性能が影響する「Physics」のパフォーマンスが80%もアップした

3DMark Time Spyのテストでも、やはりCPU性能のテストで87%という大幅なスコアーの上昇がみられる

 また、3Dグラフィックの描画性能を計る「3DMark」を試してみたところ、「Fire Strike」の総合スコアーがおよそ24%、「Time Spy」の総合スコアーがおよそ12%向上した。スコアーの内訳では、GPU性能が影響する「Graphics」テストは(同じGPUなので)当然差が付かないのだが、一方でCPU性能に依存する「Physics」や「CPU」のスコアー差が非常に大きい。

 実際のゲームプレイではどの程度のパフォーマンスが出るのか、「Apex Legends」のフレームレートを計ってみる。画質は最高設定、解像度はフルHD(1920×1080ドット)とし、射撃訓練場における一定の行動をとった時のフレームレートを「CapFrameX」で計測する。計測にあたっては144fps制限を起動オプションで解除(+fps_max unlimited)している。

Apex Legendsでは、ゲームのフレームレートが倍増

 平均フレームレートでは、Core i9-12900KSがCore i9-9900KSの2倍近いフレームレートを出している。Apex Legendsは最大でも300fpsの制限があるため、上限以上のfpsが出ればさらに差が付いた可能性もあるが、これでもパフォーマンス差は十分見て取れる。

 ここまでのベンチマークは各ベンチごとの独自スコアーによる比較だったが、Apex Legendsは平均フレームレートで140fps以上の差がついている。これは実際のゲームプレイでも体感できるだけの差。そのゲーミング性能の進化はもはや疑う余地もないだろう。

 最上位のKS型番モデルによる比較だったが、やはり世代が進んだことによって、総合的な性能差が大きく開いていることが分かる。特に人気FPSタイトルにおける実際のゲームプレイで、平均フレームレートが2倍近い差が付いたのは驚きだ。

 当時ゲーミング環境としては最強だったCore i9-9900KSでも、最新のCore i9-12900KSとゲームの快適度を比べればその差は歴然。このCore i9-12900KSのパフォーマンスを見れば、最新/最強のゲーミングPCを改めて組みたいと考える人もいるだろう。

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