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ゲーム性能からクリエイティブ性能まで、インテル/AMD最上位CPUを比較

Core i9-12900KS最速レビュー!最大5.5GHzの第12世代Core最上位CPUはライバルを圧倒する?

2022年04月05日 22時00分更新

文● 加藤勝明(KTU) 編集● ジサトラユージ/ASCII

最大5.5GHz動作の「Core i9-12900KS」は
“選ばれしAlder Lake-S”と呼べるのか?

 2022年4月5日22時(日本時間)、インテルは第12世代Coreプロセッサー(開発コードネーム:Alder Lake-S)の新フラッグシップ「Core i9-12900KS SPECIAL EDITION」(以下、Core i9-12900KS)の販売を解禁した。実売価格は税込み10万5800円となっている。

 Core i9-12900KSは、2019年に発売され全コア5GHz動作を武器にした「Core i9-9900KS SPECIAL EDITION」を思い出させてくれる。今回のCore i9-12900KSの“S”も“スペシャルな”という意味合いを持たせた選別品であり、最大5.5GHzに達する高いブーストクロックが最大の売りとなっている。

 Core i9-12900Kの最大ブーストクロックが5.2GHzなので、わずか300MHzのために3万円近い差額を上乗せするのかと考えてしまうが、そう考える人は既に本製品のターゲットではない。Core i9-12900KSは“ノータイムで最高のものに惜しみなく金を出せる人のための製品”なのだ。流通数もそう多くないので至極当然の価格設定といえる。

 今回は幸運にもCore i9-12900KSをテストする機会に恵まれた。ここのところ新製品のレビュー解禁が連続した(RTX 3090 Ti廉価版Ryzen)関係でやれることは限定されてしまったが、時間の許す限り“スペシャルなCore i9-12900K”を検証していこう。

「Core i9-12900KS」のモデルナンバーは選別個体であることの証。日本国内での販売価格は10万5800円となる

Core i9-12900KS(左)とCore i9-12900K(右)の比較。ヒートスプレッダーの形状は共通だが、一部刻印や2Dバーコードの有無で違いがあった(実際のリテール版と同一かどうかはまだ不明)。S-Specも「SRL4○」から「SRLD○」に変更された

こちらも左がCore i9-12900KS、右がCore i9-12900K。裏面のランドやキャパシターの配置に変化はないようだ

「CPU-Z」でCore i9-12900KSの情報をチェック。コア数やキャッシュ搭載量はCore i9-12900Kとまったく同じ

温度に余裕があれば5.5GHzが出せる

 Core i9-12900KSの武器はCore i9-12900Kより高クロックで動作するという点にあるが、これはTurbo Boostのそれぞれのステージで1〜2ビン(+100〜200MHz)引き上げることで実現している。Pコアのベースクロックが+2ビン、TB2.0で+1ビン、ITBM3.0でさらに+1ビンという感じだが、Core i9-12900KSではさらにThermal Velocity Boost(TVB)を追加することでCore i9-12900Kよりも300MHz高い最大ブーストクロックを獲得した。

Core i9-12900KSと、Core i9-12900Kの比較

インテルの製品情報(ark.intel.com)でCore i9-12900KS(左)とCore i9-12900K(右)を比較すると、12900KSのほうにだけTVBの記載がある

 クロックの上昇以上に重要なのがProcessor Base Power(PBP)、旧来のTDPの設定だ。最大クロック5.5GHz動作を実現するにあたり、PBPは125Wから150Wに増えており、これは消費電力の増大を意味する。Maximum Turbo Power(MTP)は241W据え置きのままだが、Z690マザーボードの中でも特にOCや性能を重視した製品(この辺の味付けは製品によって異なる)ではMTPは事実上無制限(4096W)に設定されるので、ピーク時の消費電力はPBPの25W差よりさらに大きくなるだろう。

 実際、CINEBENCH R23で動かしてクロックの動きを「CPU-Z」で追ってみると、たしかに5.5GHzで動いているコアを目視できた。ただ、一瞬で切り替わるのでスクリーンショットまでは撮影できなかった。TVBの発動条件はCPU温度(50℃以下)にあるので、十分冷えている時にしか拝めない。

お詫びと訂正:掲載当初、TVBの発動条件となるCPU温度を70℃以下と記載しておりました。該当部分を訂正すると共にお詫び申し上げます。(2022年5月13日)

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