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大河ドラマ館開設による集客増を予測。岡崎市が目指すビッグデータで実現する観光まちづくり

2022年06月29日 08時00分更新

駐車場の誘導に注目。仮説検証にはデータを活用予定

 交通渋滞の回避と、効果の最大化という課題解決に対しては、駐車場利用という点に着目した。

 大河ドラマ館が開設される岡崎公園周辺には、東名ICから直結する国道1号線が通っている。付近には150台規模の駐車場があるが、ドラマ館を目的地とした駐車場待ちの車が道を占拠し、渋滞の原因となることが予想される。一方、市街地に近い地域にも誘導可能な駐車場があり、規模は大きくないものの、合計数では数百台規模となる。ドラマ館へのアクセスも悪くない。

 しかし、遠方からの来訪者は認知が難しいために利用されない可能性が高いと考えられる。そこで、市街地に近い駐車場へ誘導を行うことで、交通渋滞の緩和ができ、市街地商店街への集客も狙えるのではないかという仮説を立てた。

ドラマ館と駐車場の位置関係。利用頻度の高くない市街地に近い駐車場へ誘導を行うことで交通渋滞の緩和と市街地集客を行えるとの仮説を立てた

 施策としては、スマートフォンを利用した電子クーポンの配布やナビアプリと連携したプッシュ通知等を検討。実際の施策開始後は、人流データ取得を予定している。交通渋滞の把握には、ETC2.0のトラフィックカウンターデータや駐車場の満車情報を利用。また、波及効果については、独自に人流カメラやサイネージカメラを設置したり、ビーコンデータを組み合わせることで、駐車場から市街地への移動状況を把握する。これらのデータと、携帯ビッグデータの過去データを組み合わせて分析を行い、仮設の検証を行っていく予定だ。

駐車場の誘導によって交通渋滞緩和と市街地活性化が行えるという仮説の検証にはETCのデータや駐車場の満車情報、人流カメラ等を利用予定

 次年度以降は、仮説の検証に基づいて、現地への看板設置やデジタルソリューションの導入を考えているとのこと。取り組みが功を奏するか、引き続き注目したい。

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