週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

SRPGの未来に繋がる角川ゲームスの新作『Relayer』、その挑戦と独自性に迫る

2022年04月08日 11時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

謎多き壮大な物語や魅力的なキャラクターに引き込まれる

 本作は主人公である地球の意志を宿したスターチャイルド「テラ」が、GravityLossと呼ばれる重力消失災害に巻き込まれたところから物語が始まる。

テラは、GravityLossで妹「ルナ」の手を離してしまい、ルナが宇宙空間に投げ出されてしまった記憶と後悔を抱えて生きていた

 災害のショックで、災害前の記憶のほとんどを失っているテラ。そんな折に、GravityLossを起こしたとされる「リレイヤー」により、月に建造された月面居住コロニー『アルテミス』が襲撃される。人類初のスターチャイルド「ヒミコ」との出会い、そして生きていたものの何故かテラを恨み殺そうとするルナとの邂逅から物語がスタートする。

GravityLossの時と同じような惨劇にショックを受けるテラ

『アルテミス』にてスターチャイルドを探していたヒミコと出会う

テラが悪意を持って自分を殺そうとしたような口ぶりで恨みを抱え、敵側に付いている妹のルナ。果たしてその真相は……

 本作のメインシナリオは、豪華なフルボイスで展開される。方向音痴で、天然なところもある主人公のテラや、ファーストスターと呼ばれる特別なスターチャイルドであるヒミコ、超重力航行試験艦アステリズムの操作や管制などの航行業務を一手に担うシステム管理AIの「プルート」など、魅力的なキャラクターも登場する。

 筆者的には、テラが旅のお供としてジャンクパーツから組み上げたアシストロボ「よだか」も気になる存在だ。テラを「マスター」と呼びながら対等な関係で、テラを“ぽんこつ”と称すなど、遠慮のない物言いによる掛け合いが、人の枠を超えたパートナーとして非常に魅力的だと感じた。

時々、テラの過去のやらかしを披露するよだか。遠慮のない物言いは、それだけテラとよだかの深い信頼関係が見え、非常に微笑ましい

 テラの失われた記憶、リレイヤーの目的、ルナの心変わりの理由など、いろんな謎や複線のある壮大なストーリーに加え、そうした魅力的なキャラクターによる掛け合いも物語に引き込まれる面白さになっている。

メカのタイプと射程も戦術的に重要な要素

 本作の戦闘は、ターン制のコマンドバトルになっている。画面右上のアイコンにより行動順が確認でき、各キャラクターの順番になったら、マス目を移動して攻撃を行なう。

 キャラクターを選択した際、青くなるマスが移動できる範囲。敵の攻撃範囲は、敵のアイコンを選択するほかに、△ボタン1つで危険マスとしてすべての敵の行動位置を表示できる。各キャラクターは移動のほかに、攻撃、スキル、アイテム、防御、待機が可能。

 移動後に「防御」すると耐久力が上がるが、スキルを使用するためのSPの上昇値が少なくなる。一方、「待機」では耐久力は上がらないが、SPの上昇値が防御時よりも多くなる。

移動範囲は青く表示される。赤いマスは攻撃範囲

ピンク色の範囲が敵から攻撃を受ける危険マス。味方ユニットの移動範囲と被ったマスに移動すると攻撃を受ける可能性が高いことが一目で分かる

 敵は危険マスに入らないと近づいて来ないことが多いので、危険マスに入るが攻撃が届かない場合は防御、危険マスに踏み込まない場合は待機でSPを稼ぐといい。

 プレイヤー側が操る人型兵器“ステラギア”は、アサルト、スナイプ、タンク、スカウトと4つのタイプに分かれていて、所持している武器によって射程が決まっている。たとえば、両手剣や片手剣といった近接武器は、射程が1。

 また、本作の特徴の1つとして、射程が同じ敵を攻撃すると、必ず反撃が発生する。これは、相手から攻撃を受けた場合も同じ。逆に言えば、射程が異なる敵に攻撃した場合は、反撃が発生しない。この法則に基づいて行動することで、有利に立ち回れるようになる。

射程1のアサルトで、剣を装備した敵を攻撃した際、射程が同じで反撃を受けるため、敵の情報窓にダメージ量と命中率、クリティカル率が表示される

アサルトで敵を攻撃

射程が同じなら、反撃を受ける

 加えて、敵味方ともにすべてのユニットは「物理」と「重力」の属性を持つ。攻撃力と防御力どちらにも、この2つの属性があり、装備によって数値が変わる。相手の武器を見るなどして、弱点属性で攻撃すると有効打になる。

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう