週刊アスキー

  • Facebookアイコン
  • Twitterアイコン
  • RSSフィード

裸眼で5KのVR視聴が可能!クラファンで注目のOLED採用VRヘッドセット『arpara』体験レポート

2022年02月11日 13時00分更新

文● ジサトラハッチ 編集●ASCII

6DoFトラッカー付きでVRゲームにも対応!

 同社は『arpara 5K VRヘッドセット』に6DoF対応の拡張トラッカーを取り付けることでゲームのプレイも可能にしたゲーミングセット『arpara Gamer 5K』の販売も予定している。『arpara Gamer 5K』は、6DoF対応のヘッドアンドハンドトラッキングに対応。VR空間を前後、左右、上下に自由に移動できる。

『arpara Gamer 5K』

 トラッカーを取り付けたことで、重量は320gに増量したが、それでも競合製品『Oculus Quest 2』の503gよりも軽い。コントローラーは付属しないが、SteamVR 1.0および2.0ベースステーションと互換がある。そのため、ゲームをプレイするには、ベースステーションとHTC VIVEコントローラー、ValveIndexフィンガーまたはNOLOVRのようなサードパーティー製が必要となる。

 ちなみに、接続するPCのシステム要件は、CPUがインテル「Core i5-9400」(6コア/6スレッド、最大4.10GHz)またはAMD「Ryzen 5 5600X」(6コア/12スレッド、最大3.7GHz)で、グラフィックスがNVIDIA「GeForce RTX 2070」以上、メモリー16GB以上、OSがWindows 10としている。

 この『arpara Gamer 5K』は、事前に体験できる機会を得た。体験会では、『arpara Gamer 5K』をPCに有線で接続。ベースステーション 2.0とHTC VIVEコントローラーで、両手の剣を振ってノーツを切る定番VRリズムゲーム『Beat Saber』をプレイした。

PCとは専用ケーブルで接続。DisplayPortとUSB Type-A×2で接続していた

ベースステーションは2.0を使っていた

 既報記事でHTCの『VIVE Pro 2』は解像度が5Kで、リフレッシュレート120Hzに対応しており、従来機よりもほぼ格子感がない、と伝えているが、『arpara Gamer 5K』はそれよりも格子筋を感じず、滑らかに見えた。同じ条件下で比較しないとなんとも言えないが、黒の引き締めもより良いように思えた。

 一方で、視野角が95度と狭いため、左右の見える幅は『VIVE Pro 2』よりも狭く、窮屈にも感じる。ただし、そのデメリット以上に、この軽さは魅力的だ。

重さのあるVRヘッドセットは、頭の上を通すバンドも必要になるが、『arpara Gamer 5K』は左右から頭を囲うバンドのみで固定できている。体を激しく動かすボクシングゲームなどをプレイすると、ややズレるかもしれないが、あまり気にならない装着感だった

『Beat Saber』の動作も滑らか。コントローラーの遅延も感じず、HTC VIVEでのプレイとそん色ない

『arpara Gamer 5K』の本体部分は、『arpara 5K VRヘッドセット』と同じもの。オプションで6DoFトラッカーを取り付ければ、同じように使えるという。今後、ショップで正式販売された際に、オプションとして6DoFトラッカーのみが購入できるのならば、後で買い足すのもアリだろう。

 HTC VIVEコントローラーやベースステーションは、単体で量販店でも購入できるが、VR入門者で『arpara Gamer 5K』と一緒に揃えるにはやや高価だ。ただし、5Kの高解像度が320gという軽さで実現できるため、HTC VIVEなどを既に持っていて、ヘッドセットのみ新調したい、といったユーザーに向いているだろう。

コントローラーも付属する一体型VRヘッドセット

『arpara VR オールインワン』は、残念ながら実物を拝見できなかったが、他製品と同じ5KのマイクロOLEDを採用。リフレッシュレートは最大90Hz。CPUはQualcomm XR 2を備える。重量はわずか380gと一体型のVRヘッドマウントディスプレーとしては最軽量クラス。内臓ストレージは128または256GB、6500mAhの大容量バッテリーを備える。無線通信はWi-Fi 6、Bluetooth 5.2+BLE。

『arpara VR オールインワン』

 同社独自のソーシャルVRプラットフォーム「arparaland」に対応。arparalandは、仮想キャラクターをカスタマイズし、レクリエーション活動やビジネスコラボレーションを行える仮想ソーシャルプラットフォーム。自分の思うままの環境やアバターなどを作成でき、他のユーザーとコミュニケーションができるほか、ユーザーコンテンツが楽しめたり、簡単なボードゲーム、スポーツゲームを搭載する予定とのこと。

 また、HTCのアプリストア「VIVEPORT」をプリインストールし、VIVEPORTで提供されているアプリは使用できる。さらに、PCとの接続は有線と無線どちらも可能で、PCに接続してSteamVRやVIVEPORTのゲームをストリーミングしてプレイできるとしている。

 駆動時間はアプリにもよるが、ゲームで2.5時間、動画視聴で3時間ほどとのこと。前述した2製品は、VRを実現するのに外部に設置したベースステーションを利用するアウトサイドイン方式だったが、『arpara VR オールインワン』は前面の4つのトラッキングカメラを利用したインサイドアウト方式を採用。ベースステーションなしでも、6DoFのVRコンテンツが楽しめる。

 6DoF対応のコントローラーも付属するため、VRデバイスを初めて購入する人でも安心な製品になっている。価格は公式アナウンスで『arpara 5K VRヘッドセット(Black)』が希望小売価格が699ドル(約7万9022円)、『arpara VR オールインワン』が1299ドル(約14万6825円)。現状はクラウドファンディングサイトのみでの出資になるが、Amazonやオフラインショップでの販売も企画しているという。新たなVRデバイスのシリーズとして要注目だ。

●関連サイト

この記事をシェアしよう

週刊アスキーの最新情報を購読しよう