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「次世代ヘルスケアプロジェクト 2021」レポート

注目は医療や介護従事者の負担軽減 アフターコロナのICTソリューション

2022年01月20日 07時00分更新

 日本能率協会が主催する「次世代ヘルスケアプロジェクト 2021」が、11月24日〜26日に開催された。予防医療や健康促進、健康寿命延長を支援する製品・サービスなどを取り扱う企業が一堂に介し、現場の問題解決や新しい価値提案などを行った。

 新型コロナウィルスの状況を受けて、感染症対策などが多くみられた今回の展示会だが、もうひとつ、従事者の負担軽減のためのソリューションも目立った。 従事者の負担軽減の中に感染症対策も含まれるとすると、今回のテーマは医療、介護従事者の働き方改善のためのソリューションが多く集まった内容だったと言える。

トイレに組み込む各種見守りセンサー

 シンセイコーポレーションでは、センサーやカメラによる屋内の見守りと、ウェアラブルデバイスによる屋外の見守り、トイレに組み込む各種センサーの展示があった。

 屋内の見守りは、トイレやリビング、寝室などに人感センサーやカメラなどを設置することで、居住者の居場所や状態を把握するというもの。寝室には心拍や呼吸、睡眠状態を把握するセンサーを設置し、日中の動きから就寝中の状態まで、どこにいて何をしているかをスマートフォンアプリで確認できる。屋外用にはGPS内蔵のウェアラブルデバイスを装着し、居場所を確認するだけでなく、心拍や酸素飽和度の記録など健康状態も把握可能だ。さらに、転倒を検知して通知する機能も備わっており、不慮の事故にも迅速に対応できるとしている。

TOTOの医療機関向けのトイレ「フロースカイ」

 トイレ用センサーは、座るだけで心拍や呼吸数を計測したり、尿に含まれる成分を検査できるセンサーなどを組み合わせて、用を足すだけで各種健康状態を把握できるとしている。TOTOでは、医療機関向けのトイレ「フロースカイ」をアピール。トイレ単体の販売というより、メーカーへの提案という位置づけでの展示だった。

 製品としては、抗癌剤治療や排尿自立指導など排尿量を計測して記録(日誌)をつけて集計する必要がある場面で、従来ではカップで採用して計測していたものを自動で計量し、記録できるというものだ。採尿時に、尿が手に付着するなどの暴露を防ぐだけでなく、尿の飛散など採尿エリアの汚染防止、蓄尿などで菌の繁殖リスクを減らすことができるなど、衛生面と看護師などの暴露対策としても有用性をアピール。

 特に、抗がん剤の中には健常者にとって有害な物質が含まれていることもあり、化学療法に従事している看護師は、抗がん剤への暴露対策が課題だったという。集計も自動で行えるため負担軽減にもつながるとしている。

RFIDを活用した院内物流システム

 小西医療器では、RFIDを活用した院内物流システムの紹介があった。

 メスなど手術に使用する「手術材料」は、使用された数量などに応じて医療点数として診療報酬に反映されるため、正確な集計が必要となる。それぞれの材料には使用期限があるため、期限が切れそうなものから使用するなどの管理も課題だった。

 RFIDで管理することで、必要な材料の準備(ピッキング)から検品、使用レポート、棚卸しなどがハンディ端末でスキャンするだけで完了するので、少人数、短時間と大幅な省力化が可能となる。

 その他不織布マスクやゴム手袋などの消耗品に関しても、必要ストック数を適切に管理できるので、過剰に在庫を持ったり、使われないまま廃棄になるなどのロスも防げるとしている。

リスクや負担を軽減する処理機「マセレーター」

 サクラ精機では、汚物処理に関するリスクや負担を軽減する処理機「マセレーター」の紹介があった。使用済みの汚物容器の処理と洗浄には、感染症のリスクの他に、スタッフの負荷が課題だった。マセレーターと、対応する使い捨てのパルプ容器を使用することで、容器の交換から粉砕処理までを容易に完了させることができる。

 懸念される使い捨てのパルプ容器のコストに関しては、リユース(洗浄して再利用する容器)品と比較してスタッフの処理時間が短縮されるだけでなく、心身の負担が軽減され、離職率の低下にも貢献するなど、コスト以上の効果が得られるとアピール。

 全てを置き換えるのではなく、新型コロナウィルス感染症の病棟や抗がん剤患者など高リスクの現場から導入し、効果をみながら導入を進めていってもらえればとのことだ。

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