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「歩くだけじゃない! 次世代技術で激変する『歩行空間×モビリティ』」レポート

未来のモビリティは固定的ではない 技術・法律面からのアップデートへの期待

2022年01月05日 09時00分更新

モビリティは、10年後、20年後どのように変わっていくのか

 パネルディスカッションでは、モデレーターの遠藤氏から3者に質問が投げられた。(以下、文中敬称略)

株式会社角川アスキー総合研究所 主席研究員 遠藤 諭氏

—―100年に一度の変化が起きているモビリティは、10年後、20年後どのように変わっていくのか?

スズキ 林 これからフィジカル空間がより大事になってくると思う。寝たきりの高度障害者の方が電動車椅子に乗って、10m移動するだけで家族が涙を流して喜んだ場面を見ると、人間は自分の力で動きたいのだと実感する。現在発売しているもので満足している人は正直なところいない。値段も高いし、重い、電気が切れたときのリスク、サイズ感など問題も多い。もっと気軽に乗れたり、気軽に置けたり、安かったりが必要になる。年を重ねるほど、人に会いたいという欲求は強くなる。

スズキ株式会社EV開発部 eモビリティ開発課専任職 林 邦宏氏

CuboRex 寺嶋 外を出歩くモビリティは間違いなく普及していると思う。そうなったときに自分で作るのが当たり前という未来がいいなと考えている。従来であれば、既製品の自転車や車を買ってくるだけだが、居住空間を設計するように、組み立てていく。いろいろなものを組み合わせた乗り物ができれば面白い。

株式会社CuboRex 代表取締役社長 寺嶋 瑞仁氏

glafit 鳴海 今後、直面する少子高齢化に合わせた街の設計変更が行われると思う。人口が減っていくのに、今までと同規模のインフラを維持できないという問題もある。コンパクトに集約した街を再編した場合、必要とされるモビリティの在り方も変わってくるはず。

glafit株式会社 代表取締役CEO 鳴海 禎造氏

 この質問に関連して、glafit鳴海氏からの「シニアカーのターゲット」についての質問がスズキ林氏へ向けられた。林氏は、「(技術的な進化で)自動車が安全になっているので、自動車にしがみついてしまう。シニアカーに乗っているのは後期高齢者80歳以上がほとんど」と回答した。

 鳴海氏は「自分の親にはシニアカーに乗ってほしくない。法律面からアップデートして、違う形の答えを出す必要があるのではないか。自身も今はそれに取り組んでいて一定の成果も上がっている。近い将来の道交法の大きな変化を見据えたモノづくりを行っている」とコメント。

 新たな技術の登場や社会通念の変化によって、法律から社会生活に変化が起きることもある。glafitで開発している自転車型バイクは、従来は電源オフでペダル走行時でも常に原付の扱いだったが、ナンバープレート表示が切り替わる「モビリティカテゴリチェンジャー」を開発したことによって、原付と自転車の切り替えが可能になったという。

glafitが開発した状態が変化するモビリティ用に開発した「モビリティカテゴリチェンジャー」

 モビリティ自体が変化することを法律で定義(変形モビリティ=状態が変化するモビリティ)したことで道交法自体も覆された形だ。「モビリティは固定的ではないかたちが求められる。これからのモビリティも柔軟性を持つことが求められる」とモデレーターは総括した。

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