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PS5の増設スロットにXPGのM.2 SSDを追加! 想像以上に簡単に容量アップが可

2021年10月20日 11時00分更新

 9月14日に配信が開始されたPlayStation 5(PS5)のシステムソフトウェアアップデートにより、増設用M.2スロットを利用したSSDの追加が解禁された。

 PS5では標準ストレージとして825GBのPCIe 4.0対応SSDを内蔵しているが、今時のPS5用ゲームは1タイトルで数十GB以上の容量を占有するため、増設機能が解禁されたのは朗報だと考えている人は多いだろう。

 今回はXPGのM.2 SSDを実際に増設してみて、ゲームのロード時間がどう変わるのか、発熱はどのくらいなのかを検証した。

PlayStation 5には本体に内蔵されたSSDのほかに増設用M.2スロットが標準で用意されている

PlayStation 5で使えるM.2 SSDの要件は
PCIe 4.0対応でシーケンシャルリードが5500MB/s以上

 PS5の増設SSDとして利用できるSSDには要件があり、公式サイト(https://www.playstation.com/ja-jp/support/hardware/ps5-install-m2-ssd/)で詳しく内容が記載されている。

 接続インターフェイスはPCI Express 4.0x4で、SerialATA接続には非対応。もっともSATAタイプはM.2ソケットの形状が異なるため物理的に装着できない。容量は最大4TBで、推奨転送速度はシーケンシャルリード5500MB/s以上と要求スペックはかなり高い。

 また、ヒートシンクなどの放熱対策は必須とされており、ヒートシンクを含めた高さは、最大11.25mm(基板から上8mmまで、基板から下2.45mmまで)までとなっている。

 なお、PS5はシステム側のメモリーをキャッシュとして利用する「HMB (Host Memory Buffer)」には対応しておらず、HMB対応のSSDは避けたほうがいいだろう。

公式サイトにあるPS5用増設SSDの要件

今回はXPGのPCIe 4.0x対応SSDの2モデルを用意した

 今回はXPGのラインナップの中から、PCIe 4.0対応のSSDとして、「GAMMIX S70 BLADE」「GAMMIX S50 Lite」を用意。実際にPS5に増設してゲームのロード時間と動作時の発熱を試してみた。GAMMIX S50 Liteは、PCIe 4.0対応SSDとしてはリーズナブルなぶん性能も控え目になっており、PS5の推奨要件である5500MB/sは満たさないのだが、実際にどうなのか試してみたい。

GAMMIX S70 BLADEは、他メーカーも含めたPCIe 4.0x4対応SSDの中でもトップクラスの性能をもつハイエンドモデル。1TBモデルの実売価格は1万9299円

GAMMIX S50 Liteは、PCIe 4.0x4対応SSDの中ではリーズナブルなミドルレンジモデル。シーケンシャル性能は控え目だが、DRAMキャッシュ搭載の堅実仕様でランダム性能も優秀だ

Amazon.co.jpへのリンク(XPG GAMMIX S70 BLADE)
Amazon.co.jpへのリンク(XPG GAMMIX S50 Lite)

  GAMMIX S70 BLADE(1TB) GAMMIX S50 Lite(1TB)
インターフェース PCI Express 4.0x4 PCI Express 4.0x4
SLCキャッシュ 搭載 搭載
シーケンシャルリード 7400MB/s 3900MB/s
シーケンシャルライト 5500MB/s 3200MB/s
最大ランダムIOPS 740K 380K
最大ランダムIOPS 740K 540K
ヒートシンク 添付 添付
サイズ 80×22×3.3mm
(ヒートシンク装着時高さ4.3mm)
80×22×3.3mm
(ヒートシンク装着時高さ4.3mm)
TBW 740TB 740TB
保証期間 5年間 5年間

カバーの取り外しには少しコツがいるが、慣れれば簡単
公式動画で解説もされている

 増設作業自体はPCの自作やSSDの追加などをしたことがある人ならば簡単にきる。手順を解説する動画も公式で用意されている。

 なお、公式からは分解動画も公開されているが、M.2スロットまでアクセスする手順については、前の動画のほうが圧倒的に詳しいので、そちらを参照したほうがいいだろう。

 詳細な手順は公式動画に譲るとして、ここではポイントだけ見ていこう。まず、PS5は変則的なフォルムなので、横に倒すと安定しない。本体が動くと作業しにくいし、傷がついたりする可能性もあるので、クッション性があって滑りにくいマットのようなものを下に敷いておいたほうがよい。

 また、カバーは結構しっかりツメが噛み合っているので外すには少しコツがいる。筆者は前出の分解動画を見たときのいい加減な記憶だけで始めたところ手間取ってしまった。手順を解説した動画をPCなどで表示させつつ、手の配置とスライド方向をしっかり確認したうえで作業したほうがよいだろう。

 本体カバーを外せば、小カバーが付いたM.2スロットがすぐに見えるのであとは簡単だ。SSDの長さに合った位置にスペーサーを置くこと、コネクターを奥までしっかり差し込むことが注意事項だ。

 なお、同じM.2 SSDでもSATAインターフェイスのSSDは物理的に装着できない。スムーズに差せない時は強引にせずに今一度向きも含めて確認しよう。

カバーを外せばM.2スロットにすぐにアクセスして増設できる

「設定」→「ストレージ」でSSDをフォーマットする

 実際に利用するにはフォーマットが必要だ。増設作業をした後に起動すると自動的に指示が出てくるので画面に従えばよい。

 なお、増設したSSDでは以下のことがサポートされている。

・M.2 SSDストレージにPS5用ゲームを移動して直接プレイ
・M.2 SSDストレージにPS5用ゲームを直接ダウンロード
・M.2 SSDストレージに保存されたPS5用ゲームを直接アップデート

 つまり、内蔵SSDとまったく同じように使えるということだ。ゲームのインストール先としても利用できるし、すでに標準SSDにインストールされているゲームを移動することも可能。ホーム画面から「設定」→「ストレージ」と進めば搭載されているSSDが表示されるので、そこからゲームのインストール先の指定やゲームの移動に対応している。

装着後はフォーマットが必要だ

フォーマット後にテストが行なわれ、読み込み速度が表示される

推奨スペックを満たさないGAMMIX S50 Liteではこのような警告表示が出たが、ひとまず進めた

ホーム画面から「設定」→「ストレージ」に進むとストレージの設定ができる

本体ストレージ(標準SSD)とM.2ストレージ(増設SSD)の間のゲームの移動も簡単にできる

増設SSDを標準のインストール先にすることも可能だ

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