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Ryzen 5000G搭載で10万円台から!デスク上に置いても圧迫感の少ないキューブ型PC「PG-RT5」の実力を検証

2021年10月08日 17時00分更新

 2021年夏には供給安定化に向けて改善の兆しが見えていたビデオカード市場だが、まだまだ先行き不透明でビデオカードの選択が難しい状況が続いている。このような状況で注目されるのが、ビデオカードを搭載しなくてもPCを使えるようにしてくれるGPU内蔵CPUの存在だ。

 中でもAMDの最新世代APU(AMDではGPU内蔵のCPUをAPUと呼ぶ)である「Ryzen 5000Gシリーズ」では、CPUコア性能が前世代から大きく向上しており、最新CPU並みのパフォーマンスと、たまにちょっとしたPCゲームも遊びたいという要望にも応えてくれるAPUとして人気が高まってきている。時節柄テレワーク用途にも適していると言えるだろう。

 BTO PCメーカーのSTORMから販売されている「PG-RT5」は、このRyzen 5000Gシリーズを搭載するキューブ型PCだ。スタイリッシュでコンパクトなキューブ型のPCケースの中に、Mini-ITXマザーボードとRyzen APUを搭載している。ビデオカードは非搭載だが、その分安く、標準構成で10万9800円というお手頃な価格に収まっているのも魅力の1つだ。

 また、ゲーミング向け、クリエイター向け、静音仕様など、様々な用途別にBTO PCを展開するSTORMの製品の中にあって、PG-RT5はビデオカード非搭載ながらもコンパクトゲーミングPCとしてラインアップされている。果たしてその実力は如何なものか、検証していくことにしよう。

PG-RT5の主な構成
CPU AMD「Ryzen 5 5600G」
(6コア/12スレッド、3.9~4.4GHz)
PCケース RAIJINTEK「METIS PLUS」
マザーボード B550 Mini-ITXマザーボード
メモリー Crucial DDR4-3200 16GB(8GB×2)
ストレージ Crucial CT500P2SSD8 500GB
(PCI Express 3.0接続)
電源ユニット 650W 80PLUS Gold
OS Microsoft「Windows 10 Home(64ビット)」
サイズ 190(W)×277(D)×254(H)mm
価格 10万9800円

工夫が凝らされているコンパクトな筐体

 まず外観からチェックしていこう。PCケースにはRAIJINTEKのアルミ製Mini-ITXケース「METIS PLUS」が用いられている。METIS PLUSはMini-ITXのキューブ型PCケースで、人気の高いロングセラーモデルだ。シンプルかつスタイリッシュで飽きのこないデザイン、豊富なカラーバリエーション、小型PCケースながら通常サイズのATX電源に対応、複数のドライブベイやビデオカード取り付けスペースも確保した拡張性……などが人気を集める理由だろうか。

 一般的なミドルタワーやミニタワーのPCケースと比較して高さと奥行きが小さく、デザインも手伝ってかデスク上に置いた時の圧迫感が少なくてインテリア性も高い。比較的置き場所を選ばないのが魅力だ。

 なお、今回お借りした試用機のPCケースはホワイトモデルだが、実際の製品は注文時のBTOカスタマイズでシルバーかブルーの2色から選択することになる。サイドパネルにはアクリルパネルを取り付けた小窓が開いており、背面に標準装備されたLEDファンの光がPCケース内部を照らしているのを確認できるだろう。

 電源ボタンはPCケース前面上部に備えられていて、天板前面のフロントインターフェースには2つのUSB 3.0 Type Aポートとヘッドホン/マイク端子が備わっている。メッシュ加工された天板後方のスペースには、120mmケースファンを取り付け可能だ。

前面上部に電源ボタンとUSBポート、オーディオコネクターを配置

 内部構造は小さな空間に上手くPCパーツが詰め込まれている。電源ユニットはPCケース前部に配置されていて、PCケース背面の電源コネクターから延長ケーブルをケース内部に這わせて電源ユニットへと接続する仕組みだ。電源ユニットは通常サイズのATX電源を搭載可能だが、PG-RT5ではよりコンパクトなSFX電源が採用されている。小型のSFX電源だが出力650Wで80PLUS Gold認証、フルモジュラー方式のCWT「CSN650M-G」が搭載されていて、電力供給能力も全く問題ない。

 本機の場合、マザーボードは拡張スロットがPCケース上側に来るように取り付けられている。PG-RT5はRyzen APU搭載なので、ビデオカードを搭載していないが、拡張スロットには2スロット厚のビデオカードを取り付けられるスペースが確保されており、公称スペックによるとビデオカード長は最大170mmまで対応する。

 なお試用機のマザーボードには、GIGABYTEの「B550I AORUS PRO AX」が搭載されていた。ゲーミング仕様のB550チップセット搭載Mini-ITXマザーボードで、Wi-Fi 6や2.5GbE LANも搭載している。マザーボードのメモリースロット数は2基で、CrucialのDDR4-3200 8GB×2が搭載されていた。ディスプレー出力にはHDMI×2とDisplayPort×1が備わっていて、マルチディスプレーにも対応するのが魅力的なマザーボードだ。

電源ユニットがPCケース前部に置かれている独特なレイアウト。CPUクーラーはAMD純正品が用いられているが、まだスペースはあるのでより大きめのクーラーも使用できそうだ

背面から見ると拡張カードスロットが上に来ているのがわかる

 ドライブベイは天板裏に3.5インチ/2.5インチ×1、電源ユニットの奥に2.5インチ×1、PCケース底面に3.5インチ×1もしくは2.5インチ×2が搭載可能だ。このコンパクトな筐体に3.5インチ×2と2.5インチ×2、もしくは3.5インチ×1と2.5インチ×4のストレージを内蔵できる。

天板裏の金具に3.5インチHDDと2.5インチSSDを搭載可能。2.5インチSSDは金具下面にぶら下げるように取り付ける

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