サッポロビールは「サッポロ WATER SOUR」を8月24日に発売します。「無糖」「ALC.3%」でライトに飲める“炭酸水テイスト”のRTD(ready to drink。蓋を開けてすぐにそのまま飲める缶チューハイなどのこと)。レモン/オレンジの2フレーバー。350ml缶で、価格は141円(税抜)。
米国などで人気の「ハードセルツァー」に着想を得た、日本生まれのハードセルツァー。
製品特徴としては、炭酸水のような感覚で爽快にのどを潤してくれる甘くない低アルコール。澄みキレ製法により、雑味のない澄んだ味わいを実現し、飲んだ後の香りや後味が口に残らずライトな気分で楽しめる、ということです。
ハードセルツァーってなに?
さて、ハードセルツァー(Hard Seltzer)とは耳慣れない方も多いと思います。いったいなんでしょう?
セルツァーとは「炭酸水」のことを意味し、「ハードセルツァー」は「アルコール入り炭酸水」といったニュアンスです。ノンアルコール飲料をソフトドリンクというのと反対に、“ハード”がつくとアルコール入りを意味するようですね。
ハードセルツァーは、サトウキビの糖蜜由来アルコールを使用しているのが特徴で、一般的に低カロリーのものが多いです。アメリカでは若年層にヘルシー志向が高まっていて、低カロリー、比較的に低アルコールといった理由から、ハードセルツァーは2019年ごろからアメリカで流行しています。パッケージのデザイン性が高いなど、スタイリッシュな雰囲気も注目された要因といわれています。
サッポロは海外のより「低アルコール」
じゃあ、海外で流行りのハードセルツァーをそのまま持ってきたんだ! ……と受け取るのはちょっと違って、「サッポロ WATER SOUR」は日本の人に好まれるよう、独自な視点を加えて開発しています。
まずは「サッポロ WATER SOUR」は低アルコールの3%。これは海外の一般的なハードセルツァーよりアルコール度数が低いです。海外で売られているハードセルツァーはアルコール度数5%前後のものが多く、日本のビールくらいのアルコール度数。おそらく、海外では5%前後でも“比較的にアルコール度数低め”なのでしょう。サッポロではそこを、日本の人向けに3%としました。
とにかく、さっぱりした飲み口にこだわったとのことで「澄み切れ製法」(ミネラルにより雑味を軽減する特許出現中の製法)を駆使して、雑味のない澄んだ味わいとキレる後味を目指したとのこと。さらに糖類0・プリン体0といった付加価値をあわせています。
事前に催されたオンラインでの発表会イベントでは、サッポロの担当者が「最初からハードセルツァーを出そうと開発したのではなく、若者向けに受け入れられるRTDを開発していたところ、ハードセルツァーと重なることに気が付き、結果ハードセルツアーを作ることになった」との旨を話していました。流行りものだから持ってきたのではなく、日本の市場をしっかりと見据えた商品になっています。
ダラダラ飲みたい時などによさそう
いち早く飲むことができたので感想です。無色で見た目は炭酸水みたい。そして、口に入れると、サッパリして炭酸水のように飲みやすい。つまり、飲み物としてちゃんとおいしいです。さらに、アルコール3%なので酔い過ぎないという安心感が重なり好感触でした。
私はお酒が好きなので、ふだんからビールや、ワイン、焼酎の炭酸割りなどをほぼ毎日飲んでいるのですが、たらふくお酒を流し込んだあとに、軽めのお酒でダラダラ、チビチビと飲み続けたい時があります。「サッポロ WATER SOUR」はそんな時にぴったり。
既存のもので低アルコールのだと、サントリーの「ほろよい」シリーズなどありますが、ちょっと“甘い”というイメージがあるため、甘いのはちょっと……、というタイミングだと食指が伸びなかったところ、「サッポロ WATER SOUR」は甘さが控えめ、炭酸水みたいにグビッといけるのがうれしいポイントです。
ほろよいに限らず、低アルコールのRTDは酒感少なめでカクテルっぽい路線になりがちなところ、甘さ控えめな爽快なRTDはあまりなかったと思うので、そこにニーズがありそうだと感じました。
コカ・コーラ社のハードセルツァーも展開予定
個人的にも好感触な「サッポロ WATER SOUR」は8月24日発売ですが、その前日に、出荷数量がすでに、2021年間販売計画の約4割にあたる約31万ケースを突破したと発表がありました。当然、販売前から小売店に卸しているわけですが、引き合いも好調なようです。
実はハードセルツァーはサッポロのものだけではなく、コカ・コーラ社のグローバルブランド「トポチコ ハードセルツァー」が日本に進出してきています。コカ・コーラ社がアルコールブランドをグローバルで展開するのはこの商品が初めて。
メキシコ生まれのスパークリングウォーターブランド「トポチコ」から登場したハードセルツァーで、2020年9月に南米に発売したのを皮切りに、現在では、米国、オーストラリア、英国、フランス、スペインなどで販売されています。アルコール度数は5%で、アサイーグレープ、タンジーレモンライム、パイナップルツイストの3フレーバー。355mlの縦長缶で、海外のスタイリッシュなRTDという印象をうけます。
この「トポチコ ハードセルツァー」は当初の計画だと、この夏から日本国内の一部地域のカフェやレストラン、イベント会場などで限定販売を開始する予定でしたが、新型コロナウイルス感染症の拡大を鑑みて実施ができておらず、まだほとんど世に出てきていない状況です。
一足先に試飲したところ、アルコール度数が5%ですし、日本のRTDとしてはなじみのないフレーバーですから「サッポロ WATER SOUR」とは全然異なる印象でした。アサイーグレープのチューインガムを思わせるちょっとケミカルなフレーバーや、パイナップルツイストのピニャコラーダを思わせるリゾート感ある味がユニークで、「海外のお酒を飲んでいる」斬新さを楽しめます。新しいエナドリが出ると気になって飲みたくなるじゃないですか、そんな感覚で手に取られるのではないかなと予想しています。
なかなかお目にかかれないのが残念ですが……。この「トポチコ ハードセルツァー」による、若者たちの表現活動を応援するアートプロジェクト「TOPO CHICO SHIBUYA ART GALLERY」が渋谷エリアで8月24日から30日までの期間限定で開催されます。「トポチコ ハードセルツァー」はしっかりしたアルコール感を「決めつけないのがルール」がコンセプト。それに共感した、新進気鋭の若手アーティスト6人が自ら選定した厳選のアート作品をタワーレコード渋谷店や渋谷駅周辺、宇田川町、宮益坂など渋谷エリア計40ヵ所に掲出します。
問い合わせたところ、アートイベントの会場付近でも「トポチコ ハードセルツァー」の販売・サンプリング予定はないようなのですが(新型コロナウイルス感染症を考慮してのことなのでしょう、この時期じゃなければと残念)、アート作品で世界に展開する「トポチコ ハードセルツァー」の雰囲気をいち早く体感することができます。
「サッポロ WATER SOUR」「トポチコ ハードセルツァー」と続々出てくるハードセルツァー。炭酸水テイストのお酒ってどういうこと?といぶかしむ人もいるかもしれませんが(私もそうでした)、飲んでみると腑に落ちるはず。特に「サッポロ WATER SOUR」は味付きの炭酸水みたいでフレーバーの主張が薄い分、そんなに飲む人を選ばないと思うので、お酒好きな人はものは試しと飲んでみては。もちろん、おつまみの用意も忘れずに。
ナベコ
酒好きライター、編集者。酒活動しています。「TVチャンピオン極~KIWAMI~ せんべろ女王決定戦」に参戦するなど。ホットカーペットが気持ちよすぎて床で寝おちして朝陽で気が付く日々。せっかく年始におろしたパジャマを着ないと……。
♪アスキーグルメでおいしい情報配信中♪
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります