2世代前から速度は倍近く上がり、価格は1万円安
まずはストレージ速度の定番ベンチマークソフト「CrystalDiskMark」(Version 8.0.1 x64)の結果から見ていこう。
SSD 670pは512GBモデルでもシーケンシャルリード・ライトで2600MB/s・1300MB/s以上と高速で、従来モデルと圧倒。特に1TBモデルどうしの比較では、SSD 670pはSSD 660pの2倍近く高速で、時代の流れを感じるほど。振り返ってみれば、SSD 660pはインテル初のコンシューマー向けSSD「SSD 600p」(TLC NAND)の後継として登場し、当時は珍しかったQLC NANDを採用することで圧倒的なコストパフォーマンスを実現し、話題になった。
SSD 670pはそのお得だったSSD 660pよりも、1TBモデル比で10900円も安く、はるかにお買い得というわけだ。また、SSDの耐久性を示す指標の1つである「書き込み上限数」は1TBモデルの場合、SSD 660pは200TBW、SSD 665pは300TBW、SSD 670pは370TBWと着実に伸びてきている。初登場時はその耐久性に不安を感じた人も少なくなかったQLC NANDだが、SSD 670pの世代ではそう心配することもないだろう。
前述した通り、PCI Express接続SSDは最高速度こそ伸びているものの、アプリのロード時間などには大きな影響はない。今回、CrystalDiskMarkとは別に5つのシーンのローディングタイムを計測する「ファイナルファンタジーXIV: 漆黒のヴィランズ ベンチマーク」もテストしてみたが、いずれのSSDも10.9~11.3秒の間に収まり、施行回数によっては平均タイムが逆転することもざらだった。つまり、「差はほぼない」と言える。
しかし、単純なデータの書き込み作業においては、空き容量に余裕があるなどシーケンシャルアクセスが効く状況では明確な差が観測できる。つまり、ドライブやフォルダー間でデータを移動するシーンにおいては、CrystalDiskMarkの結果に近しい傾向になる。大きな動画ファイルを扱う頻度が高い方は積極的に導入、あるいは増設していくことをオススメしたい。
ちなみに、筆者はシステムドライブにインテル製の3年前の上位シリーズ「SSD 760p」(512GBモデル)を使っているが、CrystalDiskMarkの結果はシーケンシャルリード・ライトが約2726MB/s・805MB/sだった。公称値は3230MB/s・1625MB/sなのだが、使用量が80%近くまできているためか、購入時よりもだいぶ遅くなってきている印象だ。
このように、SSDは使用状態でもだいぶ速度が変化するパーツなので、なるべく積極的に新しいコストパフォーマンスに優れたモデルを増設、あるいは買い換えていったほうがいい。もちろん、PCごと買い替えるなら最新のPCI Express 4.0対応SSDがベストな選択肢だ。しかし、旧世代のPCを延命使用するため、PCI Express 3.0対応SSDでなるべく安く済ませたいという方には、SSD 670pがオススメだ。
週刊アスキーの最新情報を購読しよう
本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ている場合があります