予算10万円でAPU搭載ゲーミングPCを作る予定だったが……?
Radeon RX 6700 XT搭載の"超"ゲーミングPC爆誕! 汗と涙、サプライズ満載の自作体験レポート
PC関連の仕事をする機会が増え、知識を積む日々を送っている今日この頃。今年で勤続3年目となるが、PCはどういったパーツで構成されているのか、パーツの役割といった基礎の基礎は習得済み(だと思う)。それもこれも、アスキー編集部の自作大好き集団「自作PC虎の巻」、略して「ジサトラ」から指導を受けたおかげだ。ググる必要もなければ、「Yahoo知恵袋」に質問する必要もない。PCのことで困ったらジサトラに聞けばいいのだから。
さて、PCの仕事をしていると、少しずつだが「自作」に挑戦する機会も増えてきた。実際に自作をやってみたところ、幼い頃に凝っていたプラモデル作りに通じる魅力に気づき、やがて自作に興味を抱くようになった。また、私自身がPCゲーム好きなのも自作に興味を持ったきっかけの1つだ。自分好みのスペックでオリジナルのゲーミングPCが作れる、と考えるだけでワクワクする。
しかし、自作は正直いってコストがかかる娯楽だ。その世界に足を踏み入れるには多少の覚悟が求められる。安くて数万円、高くて数百万かかるらしく、プラモデルとは似て非なるものであることは明らかだ。自作してみたいけどお金が気になってしまう。しばらく自作を踏みとどまっていた理由はそこにあった。
ある日、そんな私にある幸運が舞い降りた。そう、ボーナスが支給されたのだ。これは自作に挑戦する絶好の機会に違いない。そこで本記事では、自作ほぼ初心者の私が自作に奮闘する姿をお届けしたい。
予算は10万円! 将来を見据えた構成で自作にチャレンジ
初自腹の初自作ということで、まずはどういったマシンを作りたいのかと、自作に費やせる資金を決めるところからスタート。冒頭でも述べたが、私はゲーマーなので自作するならゲーミングPC一択だった。最新のPCパーツ勢ぞろいで最強のゲーミングPC……といいたいところだったが、そうなると赤字は必至だ。そのうえ、最近はビデオカードの供給不足&高騰の状況なので、手頃に購入するのは難しい。
そういう経緯を踏まえてジサトラメンバーに相談してみたところ、10万円に収まるぐらいの構成で自作することになった。構成は以下のとおり。
ジサトラメンバーが考える10万円で作るカジュアルゲーミングPC | |||
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商品名 | 金額(税込) | ||
CPU | AMD「Ryzen 5 PRO 4650G」 (6コア/12スレッド、3.7~4.2GHz) |
¥30,000 | |
CPUクーラー | ENERMAX「LIQMAX III ARGB」 (360mmラジエーター、簡易水冷) |
¥8,000 | |
マザーボード | ASRock「B550M Steel Legend」 (AMD B550、Micro ATX) |
¥16,000 | |
メモリー | Aiuto「AU-2XM378A1G44AB0-CWE」 (DDR4-3200、8GB×2) |
¥13,000 | |
ストレージ | Western Digital「WD Blue SN550 NVMe WDS100T2B0C」 (M.2 NVMe、1TB) |
¥13,000 | |
グラフィックス | CPU内蔵 | ¥0 | |
電源 | 玄人志向「KRPW-BK650W/85+」 (80PLUS BRONZE、650W) |
¥7,000 | |
ケース | Fractal Design「Define C TG」 (ATX、ミドルタワー) |
¥13,000 | |
合計 | ¥100,000 |
ビデオカードは非搭載だが、GPU内蔵のCPU(APU)とゲーミング用途に特化したパーツをチョイスし、軽負荷のゲームが遊べる構成になっている。いつか最新のビデオカードを購入できたら、重めのゲームもガッツリ遊べる強力なマシンに進化させるつもりだ。いつになるかは不明だが……。
後日、ジサトラメンバーが作ってくれた構成リストを持って、さっそく秋葉原のパーツショップで買い物を行なった。CPUからメモリー、SSD、PCケース、電源ユニットの買い物は無事済ませた。だが、ASRockの「B550M Steel Legend」を買おうと思った矢先、あることに気がついた。
箱をよーく見ると、「B550M」ではなく「B560M」と書かれているではないか。550よりも560のほうが新しいのだろうか? 数字が上なのできっと強いはず? 様々な「?」が脳内で大量発生し、早くも不安になってしまった。
そこで外箱を撮影し、AMD担当のジサトラハッチに送ってみることに。すると、数秒後にジサトラハッチから電話がかかってきた。
私:お疲れ様です。さっき送った写真の件ですよね?
ジサトラハッチ:そうそう。「B560M」はインテルCPU用のマザーボードで、「B550M」はAMD CPU用のマザーボードだよ。肝心のマザーボードを間違えるとそこで試合終了だからね。
私:危ない危ない。製品名の間違いもそうですけど、買い物をする前にはちゃんと下調べをしないといけないわけですね……。
ジサトラハッチ:そういうこと。困ったら自作経験者に助けを求めるか、ネットで確かめてから買い物をしたほうがいいよ。とりあえずこれでいいかって軽い気持ちで買うのは良くないかな。
私:わかりました、ありがとうございます。
上記のトラブルがあったものの、PCパーツの買い物は完了。ただ、お手頃な水冷クーラーは残念ながら品切れだったため、今回は諦めることにした。編集部には使われていないAMD純正の空冷クーラーがたくさん転がっているので、おそらく編集部に行けば何かもらえるかもしれない。
また、電源ユニットは、当初予定したものよりはるかに高額なCorsair「RM850」(約1万4000円)を買ってしまった。理由は2つある。1つは将来的にハイエンドビデオカードを搭載したいと考えていたので、650Wより850Wにしておいたほうがいいこと。もう1つは、電源は一度つけたら(再配線が面倒なので)買い換えることはほとんどないため、アップグレードなど考えず最初からいい製品を買ったほうがいい、と店員さんに勧められたからだ。
不安と期待が入り混じるなか、購入したPCパーツ一式を携えて、自作の舞台である編集部へと向かった。
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